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第24回天文文化研究会
The 24th Workshop on Cultural Studies of Astronomy

2023年1月21日-22日(土/日)January 21-22, 2023 (Sat/Sun)
ハイブリッド形式,対面(大阪工業大学梅田キャンパス)あるいは ZoomとSlackを利用
Hybrid style (in person at Umeda Campus OIT, also in Zoom & Slack)


プログラム Program  確定版です (fixed version) 
1月21日土曜日
10:00松浦清
Kiyoshi Matsuura
ご挨拶 Greetings
10:05--10:15 真貝寿明
Hisaaki Shinkai
(大阪工業大学)
【10分】天文文化 活動報告 Report of our activities 2019-2022 (会場)
概要:科研費・挑戦的研究(萌芽)として2019年からの大阪工大グループの活動について,まとめて報告します.[発表スライドpdf]
Session 1
10:15--11:25竹迫 忍
Shinobu Takesako
(日本数学史学会)
[Invited talk]
【60分講演】中国古代星図の年代推定法
Date estimation method of Ancient Chinese Star Charts(会場)
概要: これまで、古代中国星図の制作年代を推定する確立された方法はなかった。簡便な方法として、赤道と黄道の交点である春分秋分点をから推定する方法が用いられているが、多くの場合正しい推定は行われていない。また、円形星図の黄道は、赤道と同じ直径の偏心円として描かれているため補正も必要であるが、それも行われていない。その結果、たとえば、初唐の改版の跡が残る星図である『格子月進図』は1100 年頃に製作された星図と長らく誤認されてきた。
 この講演では、これまでに発表した次の星図の年代推定方法について説明する。
(1) 星図に描かれた星座の形や名称の変化を相互に比較することで、各星図の原図(改版)の時期を推定する。
(2) 星の位置の誤差が最も小さい年を最小二乗法を用いて求め、描かれた星の観測された年代を推定する。
(3) 春分秋分点の位置と12時の位置から、星の観測のあと最初に描かれた原星図の年代を推定する。
これらの推定方法を組み合わせることで、『格子月進図』や『キトラ天文図』を含め現存の古代中国星図は、晋代の観測に始まる星図の系譜に属することを説明する。また、最後に渋川春海が江戸時代に製作した星図の系譜についても説明する。
11:25--11:55作花 一志
Kazushi Sakka
(京都情報大学院大学)
【30分】古代中国王朝についての天文学的考察
Astronomical Research on the Ancient Chinese Dynasties(オンライン)
概要: 水星・金星・火星・木星・土星が天空上で20度以内に収まる日をBC3000からAD3000までの間で検出し,中国古代史の中の記録との照合を試みた。その結果,「漢書高帝紀」に記載されている天象は記載とは半年ずれているがBC205年5月末に実際に起こっていることがわかった。また、「漢書律暦志」に載っている木星・月・太陽の位置などを基に殷周革命の日付を特定した。
xx Lunch Break
Session 2
13:15--14:25안상현 Sang-Hyeon Ahn
(KASI, Korea)
[Invited talk]
【60分講演】Dating Kusyar ibn Labban's Introduction to Astrology(会場)
概要:Kusyar ibn Labban (971-1029) wrote a book titled Introduction to Astrology and al-Madkhal in abbreviations was translated into Chinese in 1383 by the Islamic astronomers working in the early Ming dynasty as a title of `Ming-Yi-Tianwenshu' (an astronomical book translated by the Ming dynasty). The book contains ecliptic coordinates and magnitudes for 30 fixed stars which are the same as in the Madkhal. The positions of the stars are for the beginning of the 361st year of the Yazdagird Era or 16 June 632 CE or 992 CE. On the other hand, the ecliptic longitudes for the 30 stars are only the result of adding 13 degrees to those of Ptolemy. Kusyar's rate of precession was given as 54 arcseconds per year, and the epoch of Ptolemy's star catalogue is known to be June 137 CE. So the ecliptic longitudes correspond to the epoch of 1004 CE. As such, there is a discrepancy in the epochs. In this paper, after making sophisticated identifications of the stars by comparing them with another Ptolemaic star table in al-Sufi's Zij, we obtain the epoch of the stars to be 993.2 CE with a 1 sigma error of 9.6 years. This agrees with the statement that the stars are for the beginning of the 361st year of the Yazdagird Era. We discuss the calendar system Kusyar used.
14:25--14:55 cancelled
cancelled
xx Coffee Break
Session 3
15:00--15:30勝俣 隆
Takashi Katsumata
(長崎大学名誉教授)
【30分】古事記・日本書紀に見られる「弟棚機(おとたなばた)」の歌は、七夕伝説と関係あるか?
Is the song of "Ototanabata" found in the Kojiki and Nihon-Shoki related to the legend of Tanabata ?(オンライン)
概要: 「弟棚機」の歌は、難解で、その解釈が定まっていない。様々な視点から、日本最古の七夕伝説として理解できるか、その可能性を検討してみたい。
15:30--16:00白 雲飛
Yunfei Bai
(大阪公立大学)
【30分】「三十六禽(図)」の諸相 -- 煩悩の数と形象、そして蛞蝓(なめくじ)について -- (会場)
Various aspects of "Thirty-six Birds (Figure)" --The number and shape of worldly desires and slugs--
概要:『覚禅鈔』は『別尊雑記』などとともに日本最初の仏教図像集と言われる『十巻抄』の影響を受けたとされる。しかし「三十六禽」については『覚禅鈔』には一行のみ記載される。また、『覚禅鈔』は『行林抄』の影響も受けているとされるが、『行林抄』には「十二時各有三獸。成三十六禽。更開爲一百八獸也。」と記載されている。さらに、『摩訶止観』の内容も記載している。ただし、『摩訶止観』原本との異同が見られるだけでなく、間違いも見られる。『摩訶止観』によると、一日を三十六の時に分け、その分けた時に現われる「禽獣」の名前を呼ぶと、その「時獣」魔は自ずから消えるとされる。『摩訶止観』の巳の時は「蝉・鯉・蛇」である。平安末期の『行林抄』には「蝉・■(虫へんに里)・蛇」となっている。さらに、『溪嵐拾葉集』(1318年)には「蛇・䖧・蝉」、江戸時代までに下がると、祇園祭長刀鉾の欄縁金具に「蛇・蛞蝓(なめくじ)・蚯蚓(みみず)」が彫られている。その変遷について考えられる原因を文献学的、図像も含めて考察したい。
16:00--16:30加藤 賢一
Ken-ichi Kato
(星学館)
【30分】プラネタリウム100年史
The history of the projection planetarium - A path of 100 years(会場)
概要: 天文文化の一翼をになう投影方式のプラネタリウムが登場して100年。 その歴史を概観し、皆様方への話題提供としたい。
16:45--16:55北井 礼三郎 
Reizaburo Kitai
(立命館大学)
【10分】告知2件
Two announcements(会場)
■ ICOMOS–IAU Thematic Study on the Heritage Sites of Astronomy and Archaeoastronomy の日本語訳公開
■ 「女性と天文学」原著者Yael Nazeさん講演会の開催
17:00頃初日終了
17:30頃情報交換会 (会場参加で交換会参加とお申し込みされた方のみ.レストランから弁当を注文する予定です.)
1月22日日曜日
Session 4
9:30--10:00松浦 清
Kiyoshi Matsuura
(大阪工業大学)
【30分】月を描く絵画が示す時間 – 秋草と月の作例
Time implied in paintings depicting the moon – examples in the paintngs of autumn grasses under the moon(会場)
概要:秋の草花を題材とした秋草図には月を描く作例が多い。江戸時代の作例を取り上げ、描かれた光景の時間を示すメルクマールとして、月が機能していることを確認する。
10:00--10:30 横山恵理
Eri Yokoyama
(大阪工業大学)
【30分】 月『花鳥余情』における「月日の光」注をめぐって
Concerning the Description of ‘Tsukihi no Hikari’ in Kachoyosei (会場)
概要:『源氏物語』若菜上巻には、明石入道がかつて見た夢について「山の左右より、月日の光さやかにさし出でて世を照らす」と記されている。この本文について、注釈書『花鳥余情』(一条兼良・室町時代)は『過去現在因果経』を引用しながら「月は中宮、日は東宮にたとふれば」と注を加えている。本発表では、『花鳥余情』が「月」「日」をこのように解釈するにいたった背景について考察する。 
10:30--11:00 真貝寿明
Hisaaki Shinkai
(大阪工業大学)
【30分】古世界地図に添えられた天文図の由来
Origin of astronomical charts attached to old world maps
概要:石塚崔高作『圓球萬國地海全圖』(1802年)に描かれた世界地図には,星座図・太陽系の2つのモデル,日食と月食の解説図,月の満ち欠けの説明図も添えられている.古世界地図には,周縁装飾として,このような宇宙に関する図が添えられているものが散見される.本稿では,図柄や地図の正確性などから古世界地図の系譜を辿り,次のことを報告する. (1) 石塚崔高は少なくとも司馬江漢の『地球全圖』(1792年),作者不詳の『フィッセル改訂ブラウ図模写』あるいはヨアン・ブラウの『新地球全図』(1648年)の2つを参照したと考えられる.(2) 星座図を添えるアイデアはペトルス・プランシウスに遡ることができる.2つの宇宙図を添えるアイデアはマテオ・リッチに,日食月食図を添えるアイデアはジョン・スペドに遡ることができる.(3) 石塚の添えた星座図は渋川春海・保井昔尹『天文成象』と類似する.(4) 石塚図の情報量の多さは,マテオ・リッチの『坤輿萬國全圖』のものに匹敵するが,その後の文化に与えた影響は限定的である.発表原稿pdf発表スライドpdf
Discussion
11:00--12:00松浦清 真貝寿明
(大阪工業大学)
Open Discussion(会場)
論考集 第2巻 出版に関する話し合い
共同研究などの話し合い


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2023/1/13 update