情報システム学科

プログラミング

 実はコンピュータというものは四則演算,数値の比較,条件に 応じた分岐,データの読み書きなどの,ごく単純な命令しか解釈す ることができません.人間にとって役立つ処理をコンピュータにさ せるためには,これらの命令を適切に並べてコンピュータに処理さ せる必要があります.このような命令の並びを「プログラム」と呼 びます.

 もちろん,いいかげんに命令を並べただけでは意味のある動作を コンピュータにさせることはできません.全体として意味のある動 作をコンピュータにさせるためには,緻密に命令を並べる必要があ ります.適切にプログラムを書いてコンピュータを自由自在に操る ことが,情報技術者に求められる重要な技術の1つです.

 情報システム学科では,プログラミング技術およびソフトウェア 開発技術をしっかりと学ぶために様々な授業を用意しています.大 きく分けて,理論を学ぶ講義科目と実際にプログラミングを行う 演習科目があります.表1に情報システム学科で開講されているプロ グラミング関連授業を示します.これらの授業では,学生の皆さん により深く技術を修得していいただくために,情報システム学科の 各担当教員が創意工夫を行っています.

 本稿では,これらの授業の中でも,特に1年生と2年生で行うプロ グラミング演習科目である「C演習I」と「C演習II」について取り上 げます.

情報システム学科における序盤のプログラミング演習

「C演習I」は情報システム学科において最初に行われるプログラミ ング演習です.この科目では,C言語というプログラミング言語を用い てプログラミングの基本を学びます.その後の「C演習II」ではより 高度なプログラム開発を行います.

ところで,これらの演習ではC言語というプログラミング言語を用い ていますが,情報システム学科では決して「C言語という特定のプログ ラミング言語を使いこなせるようなる」ためだけに演習は行っていま せん.どのようなプログラミング言語でもすぐに修得して使いこなせ るようにプログラミングの本質を修得してもらうために演習を行って います.それこそが大学でプログラミングを学ぶ意義であるためです. 実際にプログラムを動作させるためには特定のプログラミング言語 を扱う必要がありますが,それがC言語であるということに過ぎません.

C演習Iでは,条件分岐,繰り返し,配列,関数,といったプログラミ ングの基本を学びます.その後のC演習IIでは,データ構造や抽象化と いった高度・高品質なプログラムを開発するための理論を学び,授業 ではそのようなプログラムの作成に取り組みます.

一般的に,プログラミング技術を高めるためには規模の小さいプロ グラムを書いているだけでは不十分です.より大きい規模のプログラ ムの開発に挑戦することが必要です.C演習IとC演習IIではそのよう なプログラムを開発する課題にも取り組みます.少し大変な課題かも しれませんが,そのような経験を積むことが真のプログラミング技術 を身に付けるために必要であると考えるためです.例えば, C演習Iでは「画像圧縮を行うプログラム」を開発したり,C演習 IIでは「電卓プログラム」や「住所管理プログラム」などを開発した りしています.

なお,これらの授業は大学で初めてプログラミングを学ぶ人を対象 に授業内容を設計しています.プログラミングの経験がまったく無い 人でも,普段の授業を通して上記のようなプログラムを開発するため の技術を身につけられるようにしていますので,安心してくださ い.また,その一方で,プログラミングの経験がある人にとっても歯 ごたえのある内容になるよう考慮しています.様々な人が受講するこ とを考慮し,情報システム学科の教員が課題や授業内容を考えていま す.

「基礎からじっくり学ぶプログラミング(演習)」に戻る