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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理研究室 2007年度 卒業研究

「準光速ロケットでのブラックホール旅行における時間の遅れ」

情報システム学科 木村 龍一

2008/2/29 作成

概要 / 目次 /

概要

本研究では、光速に近い速度で運動した場合の時間の遅れと、強い重力場における時空の歪みから生じる時間の遅れの2つの効果について考察した。具体的には、ブラックホール(BH)へ旅行して帰ってきた人と地球上にいた人との経過時間の差を計算するプログラムをjavaで作成した。  アインシュタインの特殊相対性理論によれば、時間の進み方は運動状態によって異なり、静止している人の時間dtと速度vで運動している人の時間dt1’の関係は、という式で表すことができる。ここでcは光速を表している。また一般相対性理論によれば、強い重力場が存在する天体「BH傍では、重力によって時間の進み方が遅れる。質量MのBHを中心に半径Rの円運動をしている人の時間dt2’は同様にで表すことができる。ここでrgはシュヴァルツシルト半径と呼び、rg=2GM/c2 で表され光でも脱出することができない時空領域の境界である。BHの周りを円運動するのに必要な最小半径は3rgであり、その半径を円運動した場合のロケット内の時間の遅れは、地球時間の約1/2.3倍である。 これらの時間の遅れを表す2つの式を用いて宇宙旅行のモデルを仮定し、計算するプログラムを作成した。

目次

  1. 序論
    1. 背景
    2. 本論文の構成
  2. 運動する物体の時間の遅れ(特殊相対性理論)
    1. ニュートン力学における時間の概念
    2. 慣性系・ガリレイ変換・相対性原理
    3. 光速度不変の原理
    4. ローレンツ変化
    5. 時計のパラドックス
    6. 双子のパラドックス
    7. 時間の遅れ
  3. 強い重力場における時間の遅れ(一般相対性理論)
    1. アインシュタイン方程式
    2. シュヴァルツシルトの解
    3. シュヴァルツシルト半径
    4. ブラックホール近傍での時間の遅れ
  4. 準光速ロケットによる宇宙旅行の仮想モデル〜未来旅行〜
    1. ロケットの加速・減速部分の仮定
    2. 境界値問題の計算方法
  5. 結果・考察
    1. モデルA
    2. モデルB
    3. モデルC
  6. プログラムコード

卒業論文、プログラム

  • 卒業論文(pdf)

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