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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理研究室 2009年度 卒業研究

「SPH法を用いた重力の潮汐力効果のシミュレーション」

学籍番号A03-134 情報科学科 氏名 福島 宏章 

2010/02/16 作成

概要 / 目次 / 卒業論文/

概要

2個の星あるいは星とブラックホールがあるとき、重力の潮汐力効果でどのように変形・破壊されるかのシミュレーションを行った。開発言語にはJavaを利用し、モデルにはSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法を、計算にはRunge-Kutta法を用いた。

星を流体として扱うには密度・圧力を考える必要があるが単純な点粒子の運動では表現することが出来ない。そこでSPH法を用いた。SPH法は、粒子法の一つで、流体を粒子の集まりとして表し、粒子一つ一つに有限な大きさを持たせ状態方程式を仮定することで流体の挙動を近似する方法である。

潮汐力とは重力によって起こる効果で、大きさのある物体に働く重力場が一定でないために引き起こされ、体積を変えずに形を歪める力である。球形の物体が潮汐力を受けると、重力源に近い側と遠い側の2ヶ所が膨らんだ楕円体に変形しようとする。

本研究では、モデル1)等質量の星の衝突モデルを用いたSPH法と単純なニュートン重力の場合の比較、モデル2)質量比の大きい場合と働く重力を擬ニュートンポテンシャルにしたときの星の潮汐力効果、モデル3)モデル2で初速度を変更した時の挙動の変化について、初期条件を様々に変化させてシミュレーションを行った。

モデル1   モデル2   モデル3


目次

  1. 本研究の目的

  2. 潮汐力

  3. SPH法
    3.1 SPH法とは
    3.2 物理量の表現
    3.3 流体力学的方程式
    3.4 時間間隔の決定
    3.5 SPH法の長所と短所

  4. SPH法と単純な多体粒子法との比較
    4.1 初期条件
    4.2 シミュレーション結果
    4.3 初期条件の変更
        4.3.1 比熱比の変更
    4.4 まとめ

  5. 一方の星を極端に重くした場合の潮汐力効果
    5.1 初期条件
    5.2 シミュレーション結果
        5.2.1初期速度の変更
    5.3 まとめ

  6. 擬ニュートンポテンシャル
    6.1 擬ニュートンポテンシャルとは
    6.2 擬ニュートンポテンシャルとニュートン力学の比較
    6.3 シミュレーション結果
    6.4 まとめ

  7. まとめ


卒業論文

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