研究室トップページへ / 卒業研究一覧へ

大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理研究室 2010年度 卒業研究

「レイトレーシング法による太陽光シミュレーション」

学籍番号Q07-101 コンピュータ科学科 氏名 御庄 洋行 

2011/2/17 作成

概要 / 目次 / 卒業論文/

概要

 本研究ではレイトレーシング法を用いて、月の満ち欠けや太陽光の照射量のシミュレーションを行った。レイトレーシング法は光源からの光の軌跡を視点からスタートして計算する手法であり、光の当たる物体の表面の明暗を効率よく計算するのに適している。以下二つのモデルを考察した。 プログラムにはC++言語を使用した。
  1. 月の満ち欠けによる明るさの変化
     月の満ち欠けと明るさを表示し、比較できるプログラムを作成した。太陽から照らされた球状の月を考えまず月面の明るさを月表面の位置毎に求めた。次に地球から照らされた月を見込む角度を変え、満月や三日月などの状況を与え、視点に届く照射量を求めた。そして地球からみた月の表面を見込む角度の違いも考慮して地球に到達する月からの反射光を求めた。
     図1に満月の明るさをレイトレーシングによって表したものである 同じように半月で行った場合、満月と比べ明るさは4分の1しかない。また三日月では満月の158分の1の明るさしかないことが分かった。実際の月の実視等級は満月に対して半月は11分の1、三日月の場合は203分の1となっている。現実に近いデータを得ることができた。

  2. 季節による太陽光の日照時間の変化
     地球上の緯度毎に太陽光の照射時間を求めた。
     図2に南緯90°から北緯90°へ向かって日照時間の違いを表したグラフである。 緯度は高くなるにつれ昼と夜の時間の差が大きくなっていくことがわかる。特に60°から70°では時間変化が大きくなっている。 白夜が見られる緯度66.6°以上では夏至での日照時間が一日中続いていることもわかる。夏至の日に太陽高度は緯度23.4°の所で最大になるが日照量を計算すると最大となるのは赤道上であることも分かった。
     

目次

  1. 序論
    1.1 レイトレーシング法
    1.2 本研究の目的
    1.3 構成

  2. レイトレーシング法
    2.1 レイトレーシング(ray tracing)とは
    2.2 レイトレーシング法による視点から見える物体の描画手順
    2.3 視点と物体の交点位置の計算方法
    2.4 輝度の計算

  3. 満ち欠けの明るさと月のシミュレーション
    3.1 等級とは
    3.2 プログラム上の明るさと等級との比較
    3.3 視線ベクトルを考慮した明るさと等級との比較
    3.4 まとめ

  4. 季節ごとの日照量と日照時間の変化
    4.1 原理
    4.2 夏至と冬至での一日あたりの照射時間の比較
    4.3 夏至と冬至での南中高度の比較
    4.4 夏至と冬至での一日あたりの照射量の比較
    4.5 月毎での照射量と日照時間の移り変わり
    4.6 まとめ
      

  5. アプリケーションの操作法
    5.1 月の満ち欠けと明るさ
    5.2 夏至と冬至での日照量
    5.3 夏至と冬至での日照時間
    5.4 夏至での南中高度
    5.5 月毎の日照量時間と日照量


卒業論文

  • 卒業論文 [pdf]
  • 作成したアプリケーション[DL]

    Copyright (c) 御庄 洋行 hiroyuki Misho 2011. All rights reserved.