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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2013年度 卒業研究

「球面の正多面体への投影」

情報システム学科 林圭祐 

2013/3/4 作成

概要 / 目次 / 卒業論文/

概要

 球面は折り紙で作ることはできず、近似形として作ることしかできない。まずプログラミングするに当たり、最も簡単な近似形として立方体を考え、球体の表面データを立方体上に投影するツールを作成した。球体の表面データとして地球の表面データを使用し、立方体に近似した地球儀を作成した。さらに、その他の正多面体上にも投影するツールを作成した。投影結果は正多面体の展開図という形で出力し、実際に組み立てることにより、視覚的に変換を確認した。
 正四面体の展開図をタイリングし、そこから世界地図を切り出すことができる。切り出す条件も求めた。

図1. 正六面体地球儀の展開図
図1が正六面体に投影した結果である。論文では、内接球と外接球を考えた際の違いについても述べている。

     
図2. 正四面体の展開図のタイリングと切り出し
図3. 世界地図を切り出す条件

 図2の青色の枠で示した平行四辺形、緑色の枠で示した長方形は、枠の大きさを変えなければ、矢印の方向に任意の距離を動かすことができる。
 赤色・黄色の枠で示した長方形は、左右には正3角形の1辺の長さ刻み、縦方向には正3角形2個の高さ刻みでしか切り出すことができない。

 図3で図2から切り出す条件を説明する。
 正3角形1つを正四面体の面の1つとして考える。正四面体の4つの面で、地球上のすべての位置を網羅した世界地図となる。つまり、切り出した形に赤・青・黄・緑の正3角形が1つずつ含まれていれば、世界地図となる。
 白い枠の1番・2番はそれぞれ図2の青と緑色の枠に当たる。白い枠の1番は長方形で示しているが、面積が変わらなければ、青い枠で示した平行四辺形の形でも切り出すことができる。
 白い枠の3番・4番はそれぞれ図2の黄と赤色の枠に当たる。正3角形の枠に沿って動かした場合でも、各色の正3角形の面積が変わってしまうことがわかる。同じような枠の取り方でも、白い枠の5番は緑の正3角形が含まれておらず、青い正3角形が2つ含まれており、世界地図とはならない。
 切り出すことのできる長方形は、白い枠1番・2番のものは縦:横の比が1:2.309、白い枠3番・4番のものは縦:横の比が1:1.732である。


目次

  1. 序論
    1.1 研究目的
    1.2 研究概要
      1.3 論文の構成
  2. 正多面体に関する知識
    2.1 オイラーの多面体定理
    2.2 正多面体の種類
    2.3 展開図
    2.4 タイリング
  3. 多面体地球儀の作成
    3.1 平面への投射
    3.2 投影面の変形
    3.3 内接球と外接球の比較
  4. 展開図のタイリング
    4.1 正四面体以外の展開図でタイリングは可能か
    4.2 正四面体展開図のタイリング
  5. まとめ
  6. 参考文献

卒業論文

  • 卒業論文 [pdf]
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