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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2013年度 卒業研究

エッシャー風タイリング作成ツールの製作

情報メディア学科 小寺 陽子

2014/3/4 作成

概要 / 目次 /

概要

オランダの版画家であるエッシャー(M.C.Escher,1898-1972)は図形を敷き詰めているような不思議で複雑な作品を多く残している。

本研究では、エッシャー風タイリングの構成パーツを作成するツールを製作した。

ツール開発の目的は、自分の好きな形のタイルを誰でも簡単に作れるようにすることである。

  タイリングとは基本図形を場所と向きを変えながら平面へ敷き詰めていくことである。

並進(平行移動)や回転(1点を中心に回転)の組み合わせのルールによって、タイリングできる基本図形の形が決まる。

本研究ではJava言語を使用し4種のルールに対応した基本図形を作成できるツールを製作しアプレットで表示できるようにした。

図1に操作画面を示す。画面構成として、辺を作成するところ、線を描き終った時に点を終着させるボタン、パターンを選ぶボタン、2辺目を描くためのボタン、そしてタイリングを行うボタン、すべてをリセットするボタンからなる。

自分の好きな辺を作るための工夫として、正方形の1辺を使いマウスでクリックして描いていく方式にした。目で見て描くことができるので操作しやすいと考えた。

作成することのできるパターンは、1辺を変更したもの、2辺を変更したもの、およびそれぞれの平行移動と90度回転を行った図形を作成するものの4種である。

図2に2辺の変更、回転を行って作成した作品例を示す。

このツールを使うことで誰にでも簡単にオリジナルのタイリングが作成できるようになった。
図1 左の正方形の一辺を自由に描いて、ボタンを押すと、右にタイリングのパーツを出すことができる。
図2 2辺をデザインし、90度回転させてタイリングさせた例.


目次

    1 序論
    1.1 背景
    1.2 研究の概略
    2 基本のタイリングパターン
    2.1 正方形のタイリング
    2.2 タイリングの考え方
    2.3 写像
    2.4 並進
    2.5 鏡映
    2.6 回転
    2.7 並進鏡映
    2.8 写像の合成と群
    2.9 17種類の周期的タイリング
    3 タイリング・ツールの製作
    3.1 2 組の平行移動による正方形タイルの敷き詰め
    3.2 90 度の回転と平行移動によるタイルの敷き詰め
    4 エッシャー風タイル作成ツール
    4.1 ツール概要
    4.2 解説
    5 結論
卒業論文リンク[pdf]
小寺陽子   2014年4月からの連絡先 regulus @ kf.oit.jp