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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2015年度 卒業研究

「ポストニュートン近似を用いた天体の運動〜水星の近日点移動と連星からの重力波放出〜」

情報システム学科 山本 峻

2016/3/02 作成

概要 / 目次 /

概要

一般相対性理論によれば時空は質量に依って曲げられる.歪んだ時空での天体の運動はアインシュタイン方程式によって導かれるが,物質やエネルギーの分布から時空の歪みを記述するアインシュタイン方程式はあまりに複雑で, すべてを解くことは難しい.本研究ではアインシュタイン方程式の近似であるポストニュートン近似を用いて歪んだ空間での天体の運動を考える.さらには連星という一般相対性理論の影響から加速する天体について考え, 重力波について計算することを目的とする.本研究では太陽系シミュレータを作成し,時空の歪みを含めて天体の運動を計算した.また連星について運動を計算することで重力波の波形を導いた.

目次

  1. 序論
    1. 背景
    2. 目的
    3. 本稿の構成
  2. 時空の歪みについて
    1. アインシュタイン方程式
    2. 水星の近日点移動
    3. HulseとTaylorの連星パルサー
  3. ポストニュートン近似
    1. 太陽系
    2. 連星
  4. シミュレータの開発
    1. Runge-Kutta 法
    2. 無次元化
    3. 連星シミュレータ
    4. 太陽系シミュレータ
    5. 連星の初速度の設定
    6. 精度のチェック
      1. 精度について
      2. 太陽系のの精度チェック
      3. 連星の精度チェック
    7. 重力波波形
  5. 水星の近日点移動の再現
    1. Newton 重力での太陽系惑星の運動
    2. PostNewton 項を含めた太陽系惑星の運動
  6. 中性子性連星の重力波
    1. 連星の運動
    2. エネルギー保存の確認
    3. 重力波波形
  7. まとめ
    1. 結論
    2. 今後の展望


山本 峻 2016年4月からの所属先 大阪工業大学大学院