STUDENT’S INTERVIEW

大学院の2年間は、人生の確かな方向性を定める貴重な財産になる

2019年2月22日

私は、力の働きなど物理学的なことに興味があり、建築設計のデザインよりも構造に魅力を感じました。この分野の教授陣と施設が充実している本学に入学し、一刻も早く資格を身につけ仕事に就こうと考えていました。そんな中で、部活動では建築文化研究部の構造班に所属し、早くから八幡工学実験場に通う機会が多くありました。そうするうちに、学部4回生の1年間だけでは研究の時間が足りない、より深く学びたいという気持ちが高まり、自然な流れのうちに大学院進学を決めました。

大学院では、学ぶことを通して知識が広がるとともに、主体的に自分自身で研究の計画を立てていきます。このとき、自分で考えた前提条件はあっているか、実験等で研究計画に計画の漏れはないかと徹底的に検討することが求められます。こうして、能動的に研究を実行することで知識が身についていくことが実感できました。就職についても学部卒では入れない企業や、その存在すら知らなかった専門企業にも門戸が広がります。私も、情報通信施設などを始めとする建築物の設計や監理などを手がける企業に専門職(設計)として働く道が拓けました。構造設計は、業界外の人から見ると意匠・設備設計の影に隠れがちで、偽装問題などネガティブな側面ばかりが扇情的に取り上げられることが多いのですが、人命を守る措置の大切さや魅力を伝えていきたいと思っています。

大学院の魅力は、考えて動けること、その時間があって自分がどのように進むのか確かな方向性を定める期間が得られることです。授業や研究で忙しいですが、海外への論文投稿・発表などの貴重な経験を若くして積むことができます。大学院の2年間は人生を変えるような貴重な財産になると思います。

中森 璃子

大学院工学研究科(博士前期)/ 建築学コース 2年次