専攻major subject

化学・環境・生命工学専攻Major in Applied Chemistry, Environmental and Biomedical Engineering

化学・環境・生命工学の3分野の知識・スキルを身につけた専門職業人・高度技術者の育成を目指す。

2017年度の工学研究科改組では、工学研究科内に「化学・環境・生命工学専攻」を新たに開設しました。この専攻は名称から分かるように、工学部内の「応用化学科」「環境工学科」および「生命工学科」を母体とする専攻で、これら3学科で学び身につけた専門技術や知識をさらに高め、社会で実践的に活躍できる技術者の育成が目標です。

「応用化学科」・「環境工学科」・「生命工学科」の3学科は、化学物質の変化を理解し制御する化学技術、さまざまな規模での物質循環やエネルギー循環を管理・制御する環境技術、バイオ・健康・医療・食品に関わる生命工学をそれぞれの主要な技術的背景としています。これら3学科では、学部入学以降4年間の学士課程教育でその基盤づくりを進め、技術的な下地を固めていきます。その学修を進め、学びが進展するに伴いこれらの技術が互いに関連性をもつことに気がつくと思います。

つまり、これら3分野の技術は、それぞれが独立して成り立つわけではなく、お互いに技術的な関連性を強くもち融合することで発展してきました。例を挙げますと、化学技術を活用したものづくり、物質合成は常に生物を手本にし、それを目標としています。また、生命科学の急速な発展には化学技術が大きく関与しています。その結果、生命現象を分子レベルで理解できることが発展の礎となっています。一方、狭い地域から地球規模までさまざまな階層で環境を考える場合には、やはり、多様な物質の定性や定量が不可欠で、そのためには化学分析の技術や物質についての知識が必要になります。逆に、化学および生命工学の技術を用いた生産活動では、資源の有効利用・廃棄物に関する問題を解決する必要があり、環境技術が活躍します。さらに、エネルギーにかかわる多くの課題についても化学・生命に関する技術が深くかかわり、その上で、環境技術に基盤を置く視点が求められます。

したがって、化学・環境・生命にかかわる専門技術を活かして持続可能な発展の実現に向け活躍するためには、それぞれの専門性に基づく基盤技術をさらに高めることがまず重要ですが、加えて関連性をもつ分野の理解や要素技術の獲得も必要になります。「化学・環境・生命工学専攻」では、真にこの命題を実現する教育課程を提供します。その中で、これら3分野に関わる技術を融合的に理解し使いこなせる専門職業人・高度技術者の育成を目指します。

  • 応用化学コース
  • 環境工学コース
  • 生命工学コース
応用化学コース

化学・環境・生命工学専攻は幅広い技術領域から成り立ち、基盤となる技術には共通性があります。そこで、本専攻では、学部で身につけた専門性をさらに高めるために「物質・材料分野」および「環境ソリューション分野」、「生命・医工学・食品分野」を設置し、さらに基盤技術を幅広く学ぶため「専門横断」を置いています。

応用化学コースでは、化学技術の基礎となる知識や方法論を確実に身に付け、化学物質に関わる諸課題の解決に携わるための技術を高めていきます。

専門横断に設置する「基盤テクノロジーセミナー」では、研究活動を始めるにあたって専門および隣接する幅広い分野の情報収集および分析、評価法を修得し、専門分野に配当する「物質・材料研究特論」では、化学に関わる研究活動を実施するための考え方と成果を発信する技術を高めます。

環境工学コース

化学・環境・生命工学専攻は幅広い技術領域から成り立ち、基盤となる技術には共通性があります。そこで、本専攻では、学部で身につけた専門性をさらに高めるために「環境ソリューション分野」および「物質・材料分野」、「生命・医工学・食品分野」を設置し、さらに基盤技術を幅広く学ぶため「専門横断」を置いています。

環境工学コースでは、身につけた環境工学の基礎となる知識や方法論をもとに、自然環境との調和を指向した環境浄化、自然共生、環境エネルギー、環境システムの新規技術を開発します。

専門横断に設置する「基盤テクノロジーセミナー」では、研究活動を始めるにあたって専門および隣接する幅広い分野の情報収集および分析、評価法を修得し、専門分野に配当する「環境工学研究法」では、環境技術に関わる研究活動を実施するための考え方と成果を発信する技術を高めます。

生命工学コース

化学・環境・生命工学専攻は幅広い技術領域から成り立ち、基盤となる技術には共通性があります。そこで、本専攻では、学部で身につけた専門性をさらに高めるために「生命・医工学・食品分野」および「物質・材料分野」、「環境ソリューション分野」を設置し、さらに基盤技術を幅広く学ぶため「専門横断」を置いています。

生命工学コースでは、生命工学の基盤となる知識や方法論を身につけ、医薬品、再生医療、食品開発、微生物応用、医療機器開発に携わるための技術を高めていきます。

専門横断に設置する「基盤テクノロジーセミナー」では、研究活動を始めるにあたっての専門および隣接する幅広い分野の情報収集および分析、評価法を修得し、専門分野に配当する「生命工学研究法」では、生命工学に関わる研究活動を実施するための考え方と成果を発信する技術を高めます。