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堂本 明恵さん
OB・OG VOICE
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堂本 明恵さん
ロボティクス&デザイン工学部 システムデザイン工学科 2021年3月 卒業

積水ハウス株式会社 R&D本部 総合住宅研究所

「デザイン思考」が
日々のビジネスに
生きている

大阪中之島美術館に展示する
1970年代の住宅の再現に挑戦中

現在、設備研究開発グループに所属し、キッチン、照明、太陽光電池・蓄電池など住宅設備の企画・研究開発を手掛けています。今最も力を注いでいるのは、研究開発部門が中心になって進めている大阪中之島美術館の展示企画です。2022年2月に開館した大阪中之島美術館の開館記念展「みんなのまち 大阪の肖像」展の第2期に1970年代の実物大工業化住宅を再現するという取り組みで、私は浴室やキッチン、トイレといった設備を担当しています。当時の設備機器は残っておらず、再現が困難な設備も多いのですが、メーカーに協力いただきできるだけ近いものを製作いただいたり、メーカーがアーカイブしている当時の商品をお借りするなどして調達を進めています。本当に当時に近いものが再現できているかを確かめる裏付けとして、大先輩の社員に当時の図面を見せてもらったり、試作品を見てもらったりしています。また、当時の時代背景や人々のライフスタイルを調査し、今回再現する住宅で暮らすであろう家族のペルソナ(典型的なユーザモデル)を設定するといったワークをプロジェクトに参加している若手メンバーで進めています。このような一連の仕事の中で、大学で学んだデザイン思考が役立つ場面が少なくありません。もう一つの課題として、入社後に業務の一環でドローンのライセンスを取りました。住まいとドローンは連携できるのかを考えることも課されました。このタスクにもデザイン思考で取り組んでいます。

求められているものを作るための
視点や考え方が身に付いた

卒業研究では、科学教育用展示システムの開発に取り組みました。梅田キャンパスの1階には子どもが理科やものづくりに興味を持てるよう作られた展示があり、その内容のリニューアルを担当したのです。子どもに興味を持ってもらうために、ターゲットやペルソナの設定、リサーチはもちろん、社会の動きなども総合的に解析してものづくりを進めるデザイン思考が要求されました。3Dプリンターなどを活用してプロトタイプを作り、さらに考えて前より良いものを作るというステップの繰り返しでした。こうしたデザイン思考によるものづくりを経験できたことで、アイデア出しや考え方などについて学ぶことができ、多角的な視点を持って柔軟に考える大切さを実感しました。この経験は、大阪中之島美術館の企画展示に大いに役立っています。そして、今後の業務にも大いに生かせると考えています。

「協働」を体験できる環境で
多くのことを学ぶ姿勢が培われた

大学では建築に直接関わりませんでしたが、父の影響もあって以前から建築に興味がありました。大学1年次にRDクラブ(企業連携のプロジェクト活動)に参加して、偶然にも積水ハウスと一緒に活動することができました。「幸せについて」というテーマをもらい、幸せに暮らすためにはどんな家が良いのか、デザイン思考で考えました。さらに、3年次のプロジェクトでも同社と関わることができ、積水ハウスに入社して建築に関わりたいと思うようになりました。研究室の先生、就職課の担当の方には手厚いサポートをいただき、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも落ち着いて就職活動を続けることができました。本当に感謝しています。大学ではグループで取り組む授業が多く、他の学科の学生とも授業を受けました。IT系だけでなく、デザインやものづくりなど幅広く学べました。こうした経験を基に、会社の先輩や上司からも積極的に学び、新しい設備機器の研究開発に対応できるように幅広く深い知識を身に付けることが現在の目標です。

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