OIT OB・OG VOICE

津坂 昌宏さん
OB・OG VOICE
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津坂 昌宏さん
2007年 工学部 電子情報通信工学科※1 卒業
2009年 工学研究科 電気電子工学専攻※2 博士前期課程 修了
※1 現 電子情報システム工学科 ※2 現 電気電子・機械工学専攻

西日本旅客鉄道株式会社 近畿統括本部 神戸電力技術センター 電力工事

ものづくりや研究の経験を
人、社会、未来のために
役立てていきたい

JRの電車線や駅などの電気工事を管理

現在の仕事は、JR西日本の神戸エリア全体における電気工事の管理です。具体的には、電車線のメンテナンス・改修やそれに伴うシンプル化、駅の新設や改良、駅構内の電気設備などです。工事を工期内・予算内に安全に完遂させるために、自治体や各部署と連携し、計画から施工までの進捗と予算を管理しています。日々、問題点を抽出し、解決のための具体策を立てながらプロジェクトを進めています。また、当社社員やグループ会社社員にとって安全で働きやすい職場環境作り、そして人材育成も大切な業務です。
大学では、電気・通信やシステム、電気回路関係を学びました。職場は「電力」の分野に当たりますが、電気や通信の部署と連携して進めていくので、学生時代に身につけた基礎知識が役立っています。

ものづくりの楽しさを知った大学での学び

大阪工業大学に入学したのは、携帯電話やパソコンが普及し始めた頃で、なんとなく電気や通信、ネットワーク関係に魅力を感じたのがきっかけ。高校は普通科だったのですが、「電気って何だろう?」「目に見えないけどどうなっているの?」「パソコンで何ができるの?」と浮かんでくるいろんな疑問を解決したいと考えるようになりました。
大学で印象に残っているのは、実験を通じたものづくりです。ライントレーサーの制作では、おもちゃの車に光センサを取り付けて、線に沿って走らせる実験を行いました。プログラム作成やセンサを取り付ける位置など、学んだ知識を実践するのが楽しかったです。FMラジオの制作では、声を電気信号に変換し、受信できるかどうかを試しました。大学で知った「ものづくりの楽しさ」が、徐々に「人や社会に役立つものを作りたい」という意識へと変わっていきました。

研究で培ったスキルが、仕事に役立っている

在学中は、通信方式の一考察について学会発表を行い、賞もいただきました。その学びをもっと深めてみたいと考え、大学院に進学。「OFDM伝送方式に関する研究」に取り組みました。研究そのものや研究室の後輩指導、学会発表などを通して、「役割を分担し、期日までにやり遂げる力」「要点を分かりやすく伝えるスキル」「プレゼンテーション能力」を培うことができました。
現在の仕事では全体を管理する立場のため、人や物の状態・状況を広い視野で把握することが必要です。その上で、長期的・短期的なロードマップを描き、具体的な実行計画を立てて、工程表に落とし、行動に移す。そして、常に問題点を探し、解決策を考えて話し合う。当時、研究をしながら得た力を活かせていると感じる場面です。

笑顔が生まれる豊かな社会づくりに貢献

例えば新しい駅を作る場合、その駅は少なくとも20年から30年は残ります。多くのお客様に快適に利用してもらい、再び利用しようと思ってもらえるように。私たちの仕事は、地域の方々をはじめ、子どもや未来の世代の人たちに胸を張れるものでなければなりません。
これからの目標は、メンテナンスのシステムチェンジの推進です。テクノロジーを活用し、設備の状態監視に向けたIoTインフラとセンサの整備、検査の車上化、電車線のシンプル化などに積極的に携わっていくこと。そして、安全性や効率性を向上させることで、人と人が出会い、笑顔が生まれる豊かな社会づくりに貢献していきたいです。
予測困難な未来へ新たな価値を提供し続けられるよう、これからも胸を張って仕事に取り組んでいきます。

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