OIT OB・OG VOICE

竹内 凌一さん
OB・OG VOICE
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竹内 凌一さん
2017年 情報科学部 情報メディア学科 卒業
2019年 情報科学研究科 情報科学専攻 博士前期課程 修了

京セラ株式会社 研究開発本部 システム研究開発統括部
アドバンスドモビリティシステム研究開発部

「やってみたい」を原動力に
在学時の経験を活かし
社内に新しい風を吹き込んだ

情報科学の学びを深めながら文武両道につとめた大学時代

小学生の頃からPCのソフトに熱中したり、中学生では映画の映像美やCG表現に惹かれたりなど、新しいものやデジタル分野に興味があり、情報科学について学びたいと考えていました。デジタルアートやCGなど、最先端の分野を深く学べる点に魅力を感じ、情報メディア学科へ進学しました。学部時代では、音響やCG分野はもちろん、さまざまな分野について広く学ぶことができた点が良かったと思います。PCの構造や組み立て方のような専門知識も付いたほか、一般教養の授業では文系科目を含め多様な学びに触れることができ、興味の幅を広げるきっかけとなりました。大学院進学後も洋弓部に在籍し副主将としてアーチェリーに没頭。全国大会出場をめざし、チームをまとめる中で、人間的に大きく成長できたと考えています。学業との両立を意識して時間やスケジュールを調整した経験から、計画性も身につきました。

何事にも挑戦することで大きく成長できた

専門知識をさらに深めたいと感じ、大学院へ進学。大学院時代に心がけていたのは、チャンスを逃さず、何事にも挑戦することです。1年次には海外研究支援プログラムでスペインに2か月間留学。海外の先生から直接指導やアドバイスをいただき、研究における新たな視点を得ることができました。研究テーマに選んだのは、「錯覚」。凹んでいるディスプレイを、映像の力で出っ張って見えるようにするなど、絵画の手法である逆遠近法を応用して研究を進めました。特に苦労したのは、錯覚が起こっているかどうかを評価する方法の選定。感覚の一種である錯覚を、数値やデータなどで客観的に表すことは難しく、評価が定まりにくい特性があります。そのため、類似研究において多く用いられている評価方法を応用するなど、客観性を持って錯覚を判断できる環境を整えるのが大変でした。さらに、国内外での学会発表の機会を数多くいただけたことも印象に残っています。研究が深められたのはもちろん、海外経験を通して価値観にも変化がありました。大学院で大きく成長できたのは、「何にでも挑戦しよう」と目的意識を持ち続けたからこそだと感じます。

在学時の経験を活かして社内に新システムを導入

現在は電気機器メーカーの研究開発本部に所属。ソフト分野のリーダーとして、VRなどを用いて自動車運転時の様子を体感する、ドライビングシミュレータの開発に努めています。このシミュレータは、開発段階にあるアイデアや、その試作品の開発を進めるうえで非常に便利なもの。入社当時はシミュレータなしで研究開発が進められていたのですが、大学時代にシミュレータを使用した経験から、「導入することでコスト削減になる」と上司に進言。ドローン用から開発を進め、自動車用など、さまざまな種類のシミュレータを開発してきました。在学時の学びが特に活きていると感じるのは、製品開発のアイデア出しのとき。映像メディアを日常的に用いるため、履修していた授業や自身・知人の研究内容と重なる部分が大きく、在学時の学びが活きる機会も多数。周辺分野も含めて大学時代に広く学べたからこそ、思考の幅が広がり、アイデアの引き出しが増えていると感じます。

世界にもっと「面白い」ものを生み出したい

今後も、在学時から大切にしてきたチャレンジ精神を忘れず、何事にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。業務における目標の一つは、プロジェクトリーダーとなり、研究開発の指揮を取ること。現在はいわゆる「ソフト」に分類される部門内でのやりとりが中心ですが、枠組みを超え、ハードや電気に携わる人たちを含めて全体的にプロジェクトを統括しながら、「新しく、面白い」ものの開発を進めたいです。

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