
学長からのメッセージ

本学は、「世のため、人のため、地域のために『理論に裏付けられた実践的技術を持ち、現場で活躍できる専門職業人の育成』」を行うことを建学の精神とし、開学以来、一貫して社会の要請に応える人材育成に取り組んできました。学園創立から90年、これまでに本学が社会に輩出した卒業生は、学部・大学院合わせて約95,000人にのぼり、産官学各界で活躍しています。 東日本大震災から1年余を経て、大自然の中に生かされている我々人間の存在を再認識いたしました。自然環境との共生の理念を大切に教育・研究に励み、今後も広く社会に貢献できる人材の育成につとめてまいります。
近年、経済成長著しい中国や東南アジア諸国との国際競争が激しさを増しています。震災を機に生産拠点を海外に移転する企業も相次ぐなど、経済のグローバル化の流れは一段と加速しています。資源を持たない日本が世界を相手に競争力を高め、持続的な成長を遂げていくためには、先端技術開発と、それを守り、活用する知的財産戦略の両立が不可欠です。本学は、「工学部」「情報科学部」、そして国内唯一の「知的財産学部」の3学部を擁する工科系総合大学として、日本の国際競争力向上に貢献するグローバル人材の育成を最重要課題の一つと捉え、海外の協定大学と連携しながら独自の取り組みを展開しています。特にドイツやポーランド、アメリカ、サウジアラビアをはじめとする世界の有力大学との研究交流、海外インターンシップは、学生たちが世界に目を向け、グローバルな発想を生み出す視点を養う機会となっています。今年3月には、台湾の工科系大学の最高学府である台湾国立台北科技大学とも学術交流協定を締結し、知的財産分野を中心に学術交流を推進していく予定です。また、学生が行う海外の大学との交流や国際学会でのプレゼンテーションに必要な英語によるコミュニケーション能力の向上を支援するため、神田外語大学と連携し、同大学のネイティブ講師による実践講座も実施しています。
ものづくりの実践に主眼を置く本学では、実際にものづくりを体験する中で人間力や問題解決能力などを養うPBL(プロジェクト・ベースト・ラーニング)にも力を入れています。次代を担う技術者に必要な環境共生の理念を養うことを目指し、連携協定を結んでいる奈良県川上村の豊かな自然をキャンパスにした取り組みもその一つです。また、NHK大学ロボコンなどで実績を上げているロボットプロジェクトをはじめ、ソーラーカーや学生フォーミュラ、人力飛行機など、学部・学科の枠を越えて取り組む様々な学生プロジェクトも盛んです。本学で学ぶ皆さんには授業だけでなく、それらのプロジェクト活動にも積極的に参加し、幅広い教養と人間力を身につけ、グローバル化が進む知識社会で活躍できるバランスのとれた人間として成長してほしいと願っています。
最後に、世界が日本の再生と復興に注目している今、各界で活躍する多くの卒業生が、社会や企業活動の原動力となり、日本再生の一翼を担うことを願っています。2012年は学園創立90周年を迎える節目の年。本学にとって飛躍の一年になるよう、時代の変化に柔軟に対応し、特色ある教育・研究を進め、社会に貢献できる人材育成に取り組んでいく所存です。今後とも皆さま方の変わらぬご支援をお願い申し上げます。
