外務省特命全権大使の田邊隆一氏を迎え、特別講演会を開催しました

2011年4月14日

講演する田邊大使

約380人が講演に聴き入りました

質疑応答の様子

 4月13日、本学は外務省特命全権大使の田邊隆一氏を迎え、大宮キャンパスOITホールで特別講演会を開催しました。「私の海外経験と世界における日本の役割」をテーマに講演いただき、学生や教職員など約380人が聴講しました。
 田邊大使は、ベルリンの壁崩壊と東西ドイツの再統一、湾岸戦争の勃発など、各国大使館に在任中に起こった政変やそのときの体験談を交えて、世界情勢や国際社会の課題などについて話されました。また「資源を持たない日本は経済発展を支えた“人づくり"や“国づくり"の経験を、多くの国に伝えていくことが大切です。さらに、食糧やさまざまな資源を他国に依存している日本は、世界で起こるさまざまな問題を自国の問題として捉えなければなりません」と日本の立場と世界で果たすべき役割について述べられました。
 最後に聴講していた学生たちに向けて、「皆さんはこの大きな地球の日本という国に生まれました。皆さんと同じ人間は1人としていません。一人ひとりに役割が与えられているのだということをしっかり認識し、情熱を持ってこれからの人生を生きてください」とメッセージを送ってくださいました。
 講演後の質疑応答では、「言葉も通じない、食べ物も文化も異なる国で仕事をする際に工夫されたことは何ですか」という学生の質問に対し、「その国の言葉や歴史、文化に関心を持ち、学ぶことです。どの国の人々も、自国の文化や歴史に誇りを持っています。『あなたの国についてもっと知りたい』という気持ちをアピールすることが良好な関係を持つ第一歩になります」と話し、スピーチをする際にはなるべく現地の言葉を用いて話したことや、休日にはその国の多くの場所を見てまわったことなどを紹介されました。
 最後に田邊大使は、今回甚大な被害を受けた東日本大震災に対して世界の多くの国々から支援が寄せられていることに触れ、「過去の歴史を振り返ると、日本は大きな困難の後にはより強い国として復興を遂げています。力を合わせてこの困難を乗り越えていきましょう」と来場者に呼びかけられました。

ページを閉じる