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ニュースリリースnews release

【生命工学科・芦高恵美子教授】難病「エーラス・ダンロス症候群」の慢性疼痛_疾患マウスモデルでメカニズムを解析

2020.06.04

  • 図1 テネイシンX欠損マウスの疼痛(A)と神経線維応答(B) 図1 テネイシンX欠損マウスの疼痛(A)と神経線維応答(B)

 大阪工業大学(学長:益山新樹)生命工学科の芦高恵美子教授・宇戸禎仁教授、島根大学総合科学研究支援センターの松本健一教授、大阪医科大学麻酔科学教室の南敏明教授・伊藤誠二客員教授のグループは、厚生労働省指定難病「エーラス・ダンロス症候群(EDS)」の9割の患者が苦しむ慢性疼痛について、糖タンパク質のテネイシンX欠損のマウスモデルを用いた世界で初めての解析で、患者と同様の神経障害性疼痛が生じることなどを明らかにしました。慢性疼痛の発症メカニズムの一端に光を当て、治療の手掛かりになると期待されます。
 
本件のポイント


● 「エーラス・ダンロス症候群」の慢性疼痛をマウスモデルを用いて世界で初めて解析
● テネイシンX欠損マウスに患者と同様の疼痛が生じることを確認
● 慢性疼痛の発症メカニズム解明と治療方法確立につながると期待される
 
内容

 EDSは発症頻度が1/5000人と推計されている遺伝性疾患です。皮膚や関節の過伸展性(伸びやすい、脱臼しやすい)や脆弱性(裂けやすい、内出血しやすい)などの症状が特徴で、原因遺伝子や症状から13の病型に分類されます。患者の90%に慢性疼痛が見られますが、そのメカニズムは解明されていません。
 研究グループは原因遺伝子の1つで、コラーゲン線維に結合し関節や腱、皮膚の結合組織構築を担う細胞外マトリックス糖タンパク質のテネイシンXに着目。テネイシンX欠損マウスを用いて、EDS患者と同様の神経障害性疼痛の特徴である触覚などの弱い刺激でも痛みとなるアロディニア(異痛症)を誘発することを明らかにしました(図1A)。さらにテネイシンX欠損マウスでは、有髄感覚神経が過敏になっていることも電気刺激実験で突き止めました(図1B)。
 本研究はモデルマウスを用いたEDSの慢性疼痛の世界で初めての研究で、昨年東京で開催されたEDSの国際学会でも発表し、臨床診断にもつながる研究との高い評価を受けました。
今後、研究グループはEDSの慢性疼痛発症のメカニズム解明だけでなく、力学刺激が慢性疼痛を引き起こすメカニズムやコラーゲンを中心とする細胞外マトリックスの疼痛発症の解明も目指します。
 なお、この研究論文は学術雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
 
内容に関するお問い合わせ

大阪工業大学 工学部生命工学科 教授 芦高恵美子
TEL:06-6954-4641(不在の場合は広報室へ)
 
本件発信部署・取材のお申し込み先

学校法人常翔学園 広報室(担当:田中、上田)
TEL:06-6167-6208 携帯:090-3038-9887
 
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