ページトップへ戻る
  1. トップページ
  2. ニュースリリース(2023年度)
  3. 高分子粒子 サイズも形も自在に合成 溶媒要らず 簡便で環境負荷も減

ニュースリリースnews release

高分子粒子 サイズも形も自在に合成 溶媒要らず 簡便で環境負荷も減

2023.05.12

  • 液滴(リキッドマーブル)を利用し、さまざまな形状を有する高分子粒子の新規合成法を開発 液滴(リキッドマーブル)を利用し、さまざまな形状を有する高分子粒子の新規合成法を開発

 大阪工業大学(学長:井上晋)応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授のグループが、液滴(リキッドマーブル)を利用し、さまざまな形状を有する高分子粒子の環境に優しい新規合成法を開発しました。
 

本件のポイント

● 球状以外の形を有する異形高分子粒子の合成は産業・学術両分野で注目の技術
● 溶媒を使用しない環境に優しい簡便な異形高分子粒子合成手法を開発
● 電子部品の基材やスマホカメラ等のマイクロレンズへの利用も可能
 
内容

 非球状高分子粒子は、光散乱やレオロジー特性等の点において球状粒子とは異なる形状由来の物性を発現することから近年、塗料や化粧品などの分野で注目され盛んに研究が行われています。しかし、その合成法は、煩雑かつ有機溶媒を使用する場合が多く、簡便で環境に優しい合成法の開発が望まれています。本研究では、モノマー液滴にポリエチレンテレフタレート(PET)プレートを吸着させることで作製した多面体構造を有するリキッドマーブル内で重合反応(モノマーを高分子に変換する反応)を行うことで、非球状高分子粒子(立方体型、サンドイッチ型、四面体型、五面体型等)の合成に成功しました。本研究で開発した高分子粒子合成法は、無溶媒での合成であることから、簡便に実施可能であり、環境に優しい手法であるといえます。また、モノマー液滴に吸着させるPETプレートの枚数、リキッドマーブルの合一による体積の制御により、生成粒子の形状、サイズのコントロールが可能である点が魅力的です。この開発手法により合成される非球状粒子は、エレクトロニクス分野での電子部品の基材や、スマートフォンカメラ等のマイクロレンズとして利用可能であると期待できます。
 この成果は、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)の支援を受けて得られたもので、第72回高分子学会年次大会(5月24~26日)にて発表予定です。また、米国化学会の学術雑誌Langmuirに論文が掲載(2023年4月11日付)され注目を集めています。
URL:https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.langmuir.3c00311
(DOI:10.1021/acs.langmuir.3c00311)
 
 
内容に関するお問い合わせ

大阪工業大学 工学部応用化学科 教授 藤井秀司
TEL:06-6954-4274(不在の場合は広報室へ)

 
本件発信部署・取材のお申し込み先


学校法人常翔学園 広報室(担当:石村、上田)
TEL:06-6954-4026 Koho@josho.ac.jp

【№4】