見えない技術で安全・安心社会を実現

電気電子システム工学科 
教授 佐々 誠彦

佐々 誠彦
2010.05.28
  • 図1 プラスチック上に形成した酸化亜鉛透明トランジスタ

    図1 プラスチック上に形成した酸化亜鉛透明トランジスタ

  • 図2 テラヘルツ光強度の比較

    図2 テラヘルツ光強度の比較

 皆さんが日常使っているパソコン、携帯電話にはLSIとよばれるエレクトロニクスの中核をなす部品が多数使われています。そのLSIはシリコンという半導体でできており、20世紀最大の発明のひとつと言われています。シリコンは資源も豊富ですが、LSIには非常に純粋なシリコンが必要で、その精製には多くのエネルギーが必要となります。

 我々が研究している酸化亜鉛は、ベビーパウダーや化粧品などに使用され人体に毒性の少ない材料ですが、最近、透明であること、形成に高温を必要としないことなど、シリコンにない特徴をもった新しい半導体として注目されています。こうした特徴を活かして、ガラス上やプラスチック上に透明なLSIを実現し、見えないところで、皆さんの安全・安心を支えるようなシステムが実現できればと研究を進めています。図1はプラスチック上に形成した酸化亜鉛透明トランジスタです。

 酸化亜鉛が見えない半導体を利用する技術とすれば、見えないものを見えるようにする技術が「テラヘルツ」技術です。「テラ」は1兆を表す語で、その周波数が1兆ヘルツ前後の、電波と光の間にある未開拓の電磁波領域です。最近、この電磁波を利用して衣服の中に隠し持った金属物を捕らえるイメージセンサー、郵便物の中身(の薬物など)を未開封で特定するセンサーへの応用が検討されています。しかし、そのために必要な光源も未開拓な状況です。我々はインジウムヒ素という半導体の薄膜を利用して、これまでの報告を超える高強度な光源の開発に成功しました(図2)。従来は、同じ材料の基板(厚さ0.5 mm)が利用されていましたが、厚さを1/500に薄くしたにもかかわらず、光源の強度が強くなることを見いだしました。今後は、その原因を解明し、さらに高強度な光源の開発をめざします。

 このような新しい材料の開発やそれを利用した新しい素子の研究は、ナノ材料マイクロデバイス研究センター(HPはこちら)に設置された先端機器を利用して学部生・大学院生によって進められています。皆さんも、このような研究に是非参加してください。

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