「人にやさしいロボット」をめざして

ロボット工学科 
教授 大須賀 美恵子

大須賀 美恵子
2013.12.16
  • 写真1:脳波による文字入力

    写真1:脳波による文字入力

  • 写真2:筋電によるアーム制御

    写真2:筋電によるアーム制御

  • 写真3:ロボットの身ぶりによるコミュニケーション

    写真3:ロボットの身ぶりによるコミュニケーション

ロボット工学科は2010年に設置され今年で4年目,完成年度を迎えました.節目のイベントとして,5~7月にOITフロンティアon ロボティクスでは「ロボットは人間社会の中でどのように成長するのか」をテーマに,日本のロボット研究開発の第一線でご活躍されている7名の講師を招いて公開講座を開催しました.また,11月9日には,「Human Friendly Robotics (人にやさしいロボット)」をテーマに国際ワークショップを開催しました.

「人にやさしい」とは何か.研究者によっても考えが違うと思いますが,私の考える「人にやさしい」は,まずは,「安全」,人に危害を加えないことです.次に,身体的・認知的・心理的な人の特性に適合していることです.「身体的適合性」は体に負担を与えないということ,「認知的適合性」はわかりやすいということ,「心理的適合性」は不安や恐怖,不快感を与えないということ「安心」「信頼」できるということです.その次に,人の指示や命令を理解して賢く仕事をしてくれる,さらには,指示しなくても人の意図や心を汲んで動いてくれるということだと考えています.究極的には,人を楽しく元気にしたり癒したり,相手によっては叱ったり教育したり...ウエルネス研究室では,このような考えで「人にやさしいロボット」をめざして,研究をしています.

障害がある方にはもちろん,健常者でも手が塞がっていたり,声による入力が使えない場面で,脳波や筋電,目の動きなどで,文字の入力ができたり,機器の操作ができたら便利ですね.写真1の帽子には電極がついていて脳波を測っています.画面に並んだ文字のどこかの列か行が光ります.入力したい文字,たとえばJを見つめて光った数を数えます.このときの脳波を計測し,P3という特別な脳波が大きくでた文字が入力したい文字です.写真2は,筋電を用いてロボットアームを動かしているところです.大体は自律的 に(指示しなくても)動くアームや移動ロボットに,いざというときだけ,人が直感的な動作で意図を伝える,そのような人とロボットの協調作業を実現できたらと考えています.

人がテレビを見ているときに健康のための「ながら」運動を薦めたり,デスクワークをしているときに小休止してストレッチするように薦めるロボットを考えています.人が集中してテレビを見たり仕事をしているときに,働きかけるとうるさい!と思われます.集中が途切れたときや,仕事の切れ目など,よいタイミングを捉える必要があります.そこで,人が集中しているかどうかを判定する手法を研究しています.椅子にセンサをつけて,座るだけで心拍と呼吸を測り,それらから人の集中度を推定します.

人と人のコミュニケーションでは,表情や身ぶり・手振りなど,言葉以外のコミュニケーションが重要な役割をしています.人とロボットでもこのノンバーバルコミュニケーションが重要だと考えて,段ボール製の人型ロボットに身振り手振りでマルチメディアコンテンツを紹介させた,人が見てほしいところをちゃんと見てくれるかどうか,アイカメラを用いて調べています.上半身だけのロボットNAOの身ぶりで感情を表出させ,人に伝わるかどうかの研究もしています.

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