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持続可能な社会実現に向けたスマートものづくり

環境工学科 
准教授 皆川 健多郎

皆川 健多郎
2017.06.29
  • 動作分析風景

    動作分析風景

  • IT治具の例

    IT治具の例

地球規模で進展するさまざまな環境問題の解決のために、我が国では多くの技術開発が進められてきました。技術開発は一応の成功を収めてはいるものの、しかしそれらを有効に活用できているかといった点では、日本のレベルは残念ながら高くはありません。より顧客の視点に立ったモノづくりが今後求められます。

また、環境負荷の少ないものづくりの現場をのぞいてみると、近年では一応の自動化は進みましたが、熟練技能に依存したり、工程のバランスが悪く仕掛品が停滞したり、そして対策が不十分で不具合品ができたりといったことがあります。これらのムダに着目をし、地道に改善活動は進められてきましたが、今日、製品が複雑化する中、従来の延長線上での取り組みには限界があります。そこで、情報通信技術(ICT)を活用した取り組みの進化が期待されています。それが“スマートモノづくり”です。

ところで“スマート”と聞いても、スタイルがスマートなの?と思われる人もいるのではないでしょうか?ここでの“スマート”とは、「かしこい、利口な」といった意味で、賢いものづくりのことを意味しています。ものづくり現場におけるさまざまなデータをカメラやセンサーを活用して収集し、その分析結果をスマートデバイスに表示し、活用をします。スマートデバイスとは、皆さんがお持ちのスマートフォンもその1つです。

当研究室では、以前よりものづくり現場の情報活用の一例として動画データによる作業分析を実施してきました。さらにそのデータをビデオ標準にすることにより、作業者の指導にも活用が可能です。また最近では、センサー技術を活用したIT治具の開発についても検討を進めています。以上のことを活用して、ロボティクス&デザイン工学部システムデザイン工学科・教授の小林裕之先生にもご協力をいただき、大阪商工会議所の取り組むスマートモノづくり応援隊にも活動を拡げています。持続可能な社会実現を目標としたスマートものづくり、その活動の取組を進めてまいります。