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高速で接着するためのエポキシ樹脂硬化剤

応用化学科 
准教授 下村 修

下村 修
2018.03.22
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  • リン酸ジルコニウムの電子顕微鏡写真と構造

    リン酸ジルコニウムの電子顕微鏡写真と構造

  • ペルージャ大学(イタリア)の共同研究メンバー

    ペルージャ大学(イタリア)の共同研究メンバー

 エポキシ樹脂は接着剤や塗料、成形材料として電子部品の固定、車のボディーの塗装、飲料缶の内部コーティングなど様々な用途に利用されている。エポキシ樹脂には、一液性と二液性の二種類があり、多くの場合用いられるのが二液性である。これはエポキシ樹脂と、アミン系等の硬化剤とを別々に保管し、使用直前に混合するものである。二液性の場合、粘度の高いエポキシ樹脂を使用する時に混合するため、混合むらや気泡の混入が起こりやすい。一方、一液性のエポキシ樹脂においては、硬化剤と樹脂を一緒に混ぜておいても安定に保存することができるため、使用するときに樹脂と硬化剤を混合する必要がない。
 硬化剤を樹脂中で安定に保存できるようにするため、リン酸ジルコニウムという層構造を持つ化合物の1 nmくらいの隙間に硬化剤を閉じ込めて、加熱すると硬化する新しいタイプの硬化剤を開発している。
 海外との共同研究も盛んで、テキサスA&M大学(アメリカ)、ペルージャ大学(イタリア)に学生を派遣し、共同研究を進めている。