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平成最後の電気関連学会関西連合大会

電気電子システム工学科 
教授 加瀬 渡

加瀬 渡
2018.12.03
  • 図1

    図1

  • 図2

    図2

  • 図3

    図3

 通常、私たち研究者は「学会」と呼ばれる同じ分野の研究者が集まる場で、お互いの研究を発表・討論して情報交換を行うことで最新の研究動向を調査し、今後の研究の方向性を探っています。ですから、普段はそのような学会主催の「大会」に参加する立場なのですが、12月1,2日に大会を企画・運営する機会を得ましたので(図1)、それについてお話したいと思います。
 電気関連学会というのは、電気学会、電子情報通信学会、映像情報メディア学会、電気設備学会のことで、普段はそれぞれの学会で「研究発表会」、つまりは「大会」を開催しています。しかし、学会というのは単に情報交換の場というだけでなく、それぞれの分野の普及・啓蒙活動も重要な活動ですので、各地に支部が設置されています。それらの支部においても「大会」を開催してもいいのですが、本部と同じように関連する分野がバラバラに行っても効率的ではありません。そこで、比較的歴史の古い電気関係の学会では、関連する学会の関西支部が集まって例年、合同で「大会」を開催しています。
 「世界大会」や「国際会議」といった規模の大きな大会ですと、関連する団体からの展示要請や見学会の企画、参加者数も多くなりますので大きな展示会場や有名ホテルで開催されることが多くなります。それに比べると、国内で行われる大会は全国規模のものであっても大学で開催されることが多く、必然的に開催大学の教員が多数関与することとなります。
 また、本大会の趣意書は「このような学術活動を通して若手研究者の育成を図ることによって、次世代へと繋ぐ社会的貢献を果たすことを目的と致します」と結ばれています。普段通う大学でこのような大会が行われることで学生諸君に学会活動を身近なものと感じてもらい、その中から近い将来、このような大会で発表できるような研究のための第一歩となればとの思いから、今回の連合大会には電気電子システム工学科の全教員が何らかの形でお手伝いをすることとなりました。
 さて、いつもは大会に参加し研究発表をされておられる先生方ですが、学会の企画・運営が皆無ということもありませんので、あまり大きな問題もなく進むかと思っていたのですが必ずしもそんなことはありませんでした。通常とは違うルールがあったのです。講演申し込みのあった発表を、内容の近いものを数件まとめて発表順(セッション)を作成するのですが、「連合」大会というのが少々クセ者でした。今回はセッション名があって、それに対して講演申し込みがあり、セッションごとに担当する学会が司会者を決めるという、通常とは順序も手間も違いました。その意味では、特にプログラム編成を担当頂いた先生方には、いつもにも増してご苦労をおかけすることとなりました。結果的には、例年と同程度の約250件の講演を確保することができました。
 大会初日の午後には、NTT研究企画部門長で映像メディア学会会長の川添雄彦氏に「2020に向けた次世代映像伝送サービスの研究開発」と題した特別講演をして頂きました(図2)。当日は4K・8K放送開始日にあたり、まさしく最新の研究開発に関する講演をして頂きました。また、せっかくの機会でしたので川添会長には本学電気電子システム工学科の学部生・大学院生のためにも別途ご講演頂きました。
 同日夕刻には、ポスターシンポジウムとそれに続いて同じ会場で懇親会を行いました(図3)。本学井上工学部長をはじめ、多数の来賓をお迎えして和やかな雰囲気の元で情報交換をしました。また、後半には優秀ポスター発表賞の表彰を行いました。
 約1年間の準備をして臨んだ大会でしたが、終わってみればあっという間の2日間でした。本大会の企画・運営にご協力くださった関係者の方々に深く感謝するとともに、繰り返しになりますが、本学においてこのような大会を行ったことを契機に、学生にみなさんがこのような発表の場で注目されるような研究を始めるきっかけになることを祈念します。