ロボット脚を用いた階段昇降機構機械工学科
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2021.08.05
移動支援システム研究室では機構設計を活用した介護福祉用機器を研究開発しています.脊髄損傷者の方向けの不整地踏破可能な車椅子やお年寄り向けの新型歩行器,起立動作のリハビリテーション支援装置,介護従事者用のアシストスーツといった,使用者の移動を支援する機器をはじめとして,脳卒中患者の方向けの手指や腕の訓練機器などの開発も行っています.
研究室で開発している装置の中から今回は特に,ロボット脚を用いた階段昇降機構について紹介します.6年前にロボット脚を用いた段差乗り越え機構(図1)を既に開発しているのですが,この装置を元に,階段を昇降可能な機構を開発中です.この機構は車椅子に搭載することを想定しています.階段昇降装置としてはクローラ(※いわゆるキャタピラのこと)の形式が主流ですが,床へのダメージなどの問題から,日本の日常生活空間には馴染まないのではないかと思われます.ロボット脚を採用すると,通常では搭載するモータが多く必要で大型高額になり,福祉機器として普及させることは難しいですが,モータを極力少なくした機構とすることでコストを低減させます.また,クローラは踏み面(※階段の水平面のこと)を活用しないため,滑落の危険性もあります.それに対して,開発中のロボット脚型は踏み面を活用するため,滑落の心配はありません.
現在,1/5サイズの装置(図2)で階段昇降が可能なことを確認済みです.3本脚(本体中央にある脚1本と側方にある脚2本の合計3本のロボット脚)を動かし,重心を上手く調節しながら,階段を昇降していきます.人間が搭乗できる1/1サイズの装置はまだ開発中です(図3).1/1サイズにおいては,モータの負荷を抑えて小型化するために,ガススプリングというバネを取り付けています.なお,開発装置の安全設計に関するコンセプトとして,数段の階段を乗り越えることのみを想定していて,フロア同士の階段を移動することは考えていません.
研究室で開発している装置の中から今回は特に,ロボット脚を用いた階段昇降機構について紹介します.6年前にロボット脚を用いた段差乗り越え機構(図1)を既に開発しているのですが,この装置を元に,階段を昇降可能な機構を開発中です.この機構は車椅子に搭載することを想定しています.階段昇降装置としてはクローラ(※いわゆるキャタピラのこと)の形式が主流ですが,床へのダメージなどの問題から,日本の日常生活空間には馴染まないのではないかと思われます.ロボット脚を採用すると,通常では搭載するモータが多く必要で大型高額になり,福祉機器として普及させることは難しいですが,モータを極力少なくした機構とすることでコストを低減させます.また,クローラは踏み面(※階段の水平面のこと)を活用しないため,滑落の危険性もあります.それに対して,開発中のロボット脚型は踏み面を活用するため,滑落の心配はありません.
現在,1/5サイズの装置(図2)で階段昇降が可能なことを確認済みです.3本脚(本体中央にある脚1本と側方にある脚2本の合計3本のロボット脚)を動かし,重心を上手く調節しながら,階段を昇降していきます.人間が搭乗できる1/1サイズの装置はまだ開発中です(図3).1/1サイズにおいては,モータの負荷を抑えて小型化するために,ガススプリングというバネを取り付けています.なお,開発装置の安全設計に関するコンセプトとして,数段の階段を乗り越えることのみを想定していて,フロア同士の階段を移動することは考えていません.