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スマートグリッドによる再生可能エネルギーの活用

電気電子システム工学科 
講師 又吉 秀仁

又吉 秀仁
2021.09.01
  • 図1_再生可能エネルギーに関する研究

    図1_再生可能エネルギーに関する研究

  • 写真1_太陽光発電の実験風景

    写真1_太陽光発電の実験風景

「再生可能エネルギー電源の良い点は何でしょうか?」と学生さんに質問すると、色々な答えが返ってきます。「自然エネルギーは無尽蔵に得られるので枯渇することがない」、「二酸化炭素を排出しないので地球温暖化を防ぐ」、「クリーンで安全」、「災害対策になる」などなどです。しかし「ではなぜ現在、再生可能エネルギー100%の電力系統ではないのでしょうか?」と質問すると、答えるのに少し苦戦してしまいます。答えはたくさんあるのですが、正確に答えるには幅広く深い知識が必要です。近年では再生可能エネルギーの大量導入に伴う問題が明らかにされ、その解決手段が世界中で提案されています。
パワーコントロール研究室では「スマートグリッド」、「太陽光発電」、「風力発電」をキーワードに研究を進めています。現在、エネルギー資源の枯渇や環境問題解決のアプローチとして、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー電源の導入が進められています。しかし太陽光発電や風力発電などを電力系統に大量導入するためには様々な課題が残されています。そこで、これらの課題を解決する手段として、電力を需要と供給の両側から制御可能なスマートグリッドについて研究しています。
もう少し具体的に研究内容を紹介すると、次世代電力系統の設計や効果的な電力マネジメント手法の検証、低価格かつ高効率な制御システムの開発を行っています(図1)。実際に外に出て太陽光発電を行い、我々が開発した新しい制御手法が理論通りに動作するのか検証なども行っております(写真1)。現在は風力発電システムの実験機を構築中で、今後は機械学習を活用した制御手法を研究する予定です。これらの研究を進めることで、再生可能エネルギー電源の主力電源化による脱炭素化とエネルギー自給率の改善に貢献します。