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ロボカップ@ホームリーグ学生プロジェクト

情報メディア学科 
准教授 宮脇 健三郎

宮脇 健三郎
2018.09.28
  • 情報科学部で設計・製作したロボット「オリオン」

    情報科学部で設計・製作したロボット「オリオン」

 情報科学部では、ロボティクス&デザイン工学部と合同で毎年ロボカップジャパンオープン@ホームリーグに参加しています。
 「ロボカップ」という言葉を聞かれるとロボットによるサッカー競技を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに元々ロボカップは、西暦2050年までに人間のワールドカップサッカー優勝チームに勝てる、自律移動のヒューマノイドロボットのチームを作ることを目指した自律移動型ロボットによる競技会でした。
 しかし、その後サッカーロボットで培った技術を他の状況下でも応用できないかということで様々なリーグが派生しました。
 その中の一つが「@ホームリーグ」です。このリーグではキッチンやリビングルームといった日常生活の場所でロボットがいかに役に立ち人間と共に暮らしていけるのか、という可能性を探るため、複数の競技種目(タスク)を通してロボットの性能を評価します。
 タスクの一例としてはGPSR(General Purpose Service Robot)という競技があります。これは人間が音声でロボットに指示を与え、ロボットがそれを正確に理解し実行できるかどうかを評価します。ただし,何が指示されるかは事前には分かりません。
 指示は「カウンタからジュースを取ってきて」といった単純なものから「リビングにいる手を振っている人の数を教えて」といったやや複雑なものまで様々です。
人間にとっては取るに足らない仕事ですが、このような仕事をロボットに遂行させるためには次のような多くの技術が必要です。
・人間の指示を聞き取る(音声認識)。
・指示を理解する(言語理解)。
・指定された場所に安全かつ正確に移動する(自己位置推定、障害物回避)。
・物体を把持する(物体認識、アームの制御)。
・人やその動作を認識する(画像処理)。
 個々の技術のプログラミングも難しいですが、全てを完全に統合してタスクを遂行させることは困難を極めます。しかし、それが成功したとき、言葉では言い表せない感動を味わうことができます。
 情報科学部では2018年より設計・製作を全て自前で行ったロボット「オリオン」でロボカップジャパンオープン@ホームリーグに挑戦しています。2018年5月の大会では準優勝しました。
 今後も、本当に家庭内で人と共存可能なロボットを目指し、ハード・ソフトの改良を続けたいと思っています。