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大学の近況

工学部長 川田 裕

工学部長 川田 裕 大阪工業大学と国際化

同窓会の皆様、工学部長の川田です。

現在4年生、修士2年生は就職活動の最中ですが、彼らに聞いてみると非常に多くの企業の面接で英会話能力や海外勤務について聞かれると言うことでした。日本国内が企業にとって6重苦といわれる一方、他のアジアの国々が急成長を遂げている状況では残念ながら企業の海外逃避と言われる行動も当然のことであろうと思います。製造業を初めとして職が海外に逃げていくのは、丁度1990年代の米国と同じで、今後円安、規制緩和、イノベーションなどの状況変化で製造業が活況を呈するまでは現在の就職難が持続する可能性が高いと予想されます。

大阪工業大学に入学してくる学生の大部分は英語が苦手です。大学としても中期計画でTOEICの得点のアップを設定し、TOEIC受験の奨励や無料講座を設けましたがなかなか成果が上がっていません。2011年度から神田外語大学と連携し、大学院生を対象として夏にはネイティブ講師による英会話の集中コースをまた秋には授業を開設しました。2012年度4月からは更に講座を充実すると共に、旧生協跡地に建設したCHASTの2階にLLC(Language Learning Center)を開設し、いつでも自由に外人講師との会話が可能なスペースが開設されました。英語のDVDや本の教材が豊富に準備されており海外の大学に行ったようなモダンな雰囲気となっています。

大阪工業大学の状況とは関係なくグローバル化はどんどん進行しています。東大が提唱している秋入学も、グローバル化に遅れまいとする切実な危機感が感じられます。

4月に学長の命でサウジアラビアのリヤドで開催された高等教育フェア参加し、大阪工業大学のブランド力浸透のために活動してきました。このフェアにはサウジアラビアや近隣の国々の高校生、大学生が仲間同士や保護者同伴で来場しており期間中の来場者数は4日間で約30万人という盛大なものでした。サウジアラビア領事館が非常に大工大を高く評価してくれており、現在サウジアラビアからは14名の国費留学生が大工大で勉学に励んでいます。本フェアには世界から450大学がブースを出展しており特に米国、カナダ、ヨーロッパの大学が多数出展していましたが、日本からも23大学がブースを開いていました。

サウジアラビアは石油枯渇後の国を支える人材・産業の育成に力を入れており、国家予算の25%を教育につぎ込んで、旧式の教育設備の更新、最新の教育方法の積極的導入を精力的に進めています。残念ながら日本は6.2%でOECD加盟国の中で2010年にはギリシャにも抜かれて最下位になりました。サウジアラビアの大学の指導者たちとも話しましたが、彼らは大変積極的でした。ABET(日本のJABEEに相当)の取得に向けて各大学が競って活動しており、アブドラジーズ大学では工学系の全学科で取得済みでした。また彼らはこれを国際的に他国の大学の評価に用いていました。 アクティブラーニングやPBL(Project Based Learning,機械科のエンジニアリングプラクティスに相当)といった最新の教育手法を欧米の大学やコンサルタントグループの指導で既に導入しているということでした。機械科のJABEE取得はこのような国際的な観点からも大変意義のあるものであることを再認識しました。

驚いたのはサウジアラビアの高校生までも大変親日的で日本のことを良く知っており、日本の文化が予想以上に浸透していること、苦手だと思われた彼らの英語能力が日本の高校生よりは上であると思われることでした。丁度日本がゆとり教育を始めた頃に、アジアや中東の国々は教育内容を更に強化しました。残念ながら高校卒業時点の平均学力では日本はシンガポールや韓国に負けています。今後日本を立ち直らせる原動力は教育しかなく、国策として教育を重視するべきであると考えます。

大阪工業大学としても将来をにらんで、昨年ナノ材料関連で開催された国際ワークショップの継続的な開催、海外連携校との学生や教職員の交流を初めとする活動や、2014年からの新教育課程での語学教育カリキュラムの改変により、グローバル化の更なる進展に対応可能な能力を備えた卒業生を輩出するのが、就職面、ブランド力面で大学の生き残りの上からも重要であると考えています。

今後とも同窓会の皆様には、暖かいご指導、ご支援を賜りたいと考えますのでどうかよろしくお願い致します。

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