動作確認:InternetExplorer 6.0,Firefox 2.0
推奨画面領域:1024×768

トップページ方針について研究室の様子研究内容について研究室のメンバー設備について論文リンクイベント情報電気推進ロケットエンジン搭載小型スペースシッププロジェクト
HOME 方針 研究室 テーマ メンバー 設備 論文・報道 リンク イベント&見学 人工衛星プロジェクト

大阪工業大学・電気推進ロケットエンジン搭載
小型スペースシッププロジェクト
研究室開発担当部門
(電気推進ロケット部門、衛星姿勢制御部門
プロイテレス2,3,4計画部門)




    1)電気推進ロケット部門
    2)衛星姿勢制御部門
    3)プロイテレス2計画部門
    4)プロイテレス3,4計画部門

    1)電気推進ロケット部門(パルスプラズマ推進機システム開発部門)

    1.1 地上実験・数値計算による性能評価
      ロケットエンジン開発グループでは、電熱加速型パルスプラズマスラスタ(Pulsed Plasma Thruster: PPT)の性能改善と共に長時間作動特性を調べるために、テフロン製円筒状キャビティ(放電室)内にテフロン供給装置を有する連続試験用の同軸型PPTを 試作し、その基本性能を評価した。結果はシステム全体としての性能を表す推進効率、主放電回路の性能を表す輸送効率、PPT本体の性能を表す加速効率の3 種類のエネルギー効率により説明された。基本性能を取得後、1万ショットの連続作動試験を行い、性能特性の変化を調べた。さらに、PPT内部の非定常流れ 場を数値計算し、物理過程を考察した。

      連続作動用PPT本体の概略図と作動条件を図1に示す。テフロンチューブ内にアノードを配置し、カソードはノズル形状とした。イグナイタはノズル内にマウ ントされる。キャビティは2本のテフロンバーより挟み込むように構成され(端は扇型形状)、それらテフロンバーが連続作動により減っていくので、スプリン グにより左右から押し出されるようになっている。テフロンバーは上下からパイレックスガラス板により押さえられ、発生ガスのリークを抑えている。放電写真 を図2に示す。

     推進効率はキャパシタ内の初期エネルギーが推進エネルギーになる割合、輸送効率はキャパシタ内の初期エネルギーがプラズ マに投入される割合、加速効率はプラズマに投入されたエネルギーが推進エネルギーになる割合である。これらのエネルギー効率は、順に、システム全体、主放 電回路、加速機本体の性能を表すと考えられるが、互いに影響される関係にある。測定された初期性能測定と後述の数値計算の結果を表1に示す。測定されたイ ンパルスビットは420μNsと通常の平行平板型電磁加速PPTより格段と大きい。これは1ショット当たりのマスロスが大きく、電熱加速型の特性である。 しかしながら、比推力は500secと小さくなっている。輸送効率はPPT電気回路の改良により大きく上昇し75%程度になったが、加速効率は15%と小 さく本体の更なる改良が必要である。最終的な推進効率は12%程度となり、これまで報告されているPPTの性能としては大きいものである。数値計算結果と の比較では、インパルスビット、マスロス、輸送効率は比較的よく合っているが、計算された加速効率は実験結果の2倍、比推力も1.5倍程度と大きく、計算 モデルの改良が必要である。

     1万ショットの連続作動試験の結果を図3に示す。インパルスビットは初期値420μNsからショット数とと もに徐々に低下し、1万ショット時には300μNsになった。マスロス(テフロンと小量のパイレックスガラスの損耗量の合計)もゆっくりであるが低下し、 結果的に推進効率は8%程度になった。マスロスが小さくなるので比推力は大きくなるが、他の性能は悪くなっていく。今後、テフロン供給方法の改良などが必 要であるが、テフロンの供給を行わなくても(本供給方法を使ってでも)比較的大きな合計インパルスが得られることが確認できた。1万ショットの合計インパ ルスは3.2Nsとなっている。

     PPTの推進性能は放電回路の特性の影響を強く受けるため、放電回路も含めたモデルで計算を行う必要が ある。図4に示す本計算モデルは、放電回路、プラズマの流れ及び固定燃料内部の熱伝導計算で構成される。放電回路はプラズマの抵抗値を含むLCR直列回路 とし、回路パラメータには実験値を用いた。固体燃料への熱供給には制動放射と熱伝達を考慮した。プラズマ流の計算領域はアノード(上流壁)からノズル出口 までとし、ノズル内の断面積変化を含む一流体の基礎方程式を用いた。流れの計算には TVD-マコーマック法、LCR回路の計算にはルンゲクッタ法を用いた。

     物理量の時間変化は図5に示すように放電電 流のピークと同期して溶融率がピークになり、十分の溶融の後圧力が上昇、ピークを迎える。その後圧力のピーク時刻当たりから推力が発生し始め、それはピー クをとった後ゆっくりと低下していく。キャビティ内の圧力は最上流部(アノード位置)で最大になり(テフロンの不均一溶融を模擬できている)70 atmにも達する。テフロンへのエネルギー供給量に関しては、熱伝達が支配的であり、放射はその1/100程度であった。



    1.2 システム概要
     衛星のスラスタ構成、推進系電源装置の系統図と開発中のEM電源(Engineering Model: EM)を図6、7、8示す。

    (1)スラスタ(前進:T1, T2)、および(後退:T3,T4)はそれぞれグループで同時噴射させる機能を有し、前進と後進を同時に作動
      させる運用はない。
    (2)スラスタ(T1, T3)、およびスラスタ(T2, T4)にそれぞれにコンデンサーブロック(1.5μF×1)を装備させる。
    (3)(2)項のコンデンサーへの充電はスラスタ(T1, T3)と(T2, T4)のブロックに同時に充電し、イグナイタにより選択点火しスラス
      タを作動させるシステムとする。
    (4)スラスタ電圧とイグナイタ電圧、および作動サイクルは可変。
    (5)バス電圧、および消費電力:電圧12VDC、消費電力5W以下。






    2)衛星姿勢制御部門
      衛星の姿勢制御には、アクチュエータとして3軸磁気トルカ、伸展ブームによる重力安定機構、センサとして3軸ジャイロ、3軸磁気センサ、太陽センサ、地球 センサを利用する予定である。軌道変更用に電熱加速型PPTを1軸前後に2機ずつ装備させる。アクチュエータは、PPTの噴射による姿勢のぶれを修正する 役割としても重要なものとなる。
     現在、これらアクチュエータ(図9磁気トルカ)と太陽センサ(図10)の独自に開発を行っている。



    3)プロイテレス2計画部門

    プロイテレス2では「電気推進ロケットエンジン動力飛行型地球観測小型実用衛星」(想定質量50kg) の開発・打ち上げを目指す。プロイテレス衛星1号機の開発経験を活かして、衛星2号機では地球観測実用衛星の開発を目指し、大量生産可能な汎用衛星バスを 研究開発する。特に、プロイテレス衛星シリーズの目玉である、電気推進ロケットエンジンを搭載することにより、迅速に目的地上空に移動し地球観測を行う。 電気推進には衛星1号機に搭載したパルスプラズマエンジンを採用し、その大電力化(20-30Wクラス)と固体推進剤テフロンの大量供給装置の開発を行う。さらに、観測カメラシステムの高解像度化を目指し、分解能0.5-2mを電気推進エンジンによる高度調整を併用して実現する。


    4)プロイテレス3&4計画部門

    プロイテレス3と4では、それぞれ電気推進ロケットによる月探査と太陽系脱出を計画している。プロイテレス3計画は地球に最も近い星(月)への動力飛行を目指し、プロイテレス4計画では火星探査後、太陽系の脱出を目指す。それぞれ候補となる電気推進ロケット(図11)は、

    ・プロイテレス3:電熱加速型PPT、ホールスラスタ
    ・プロイテレス4:高比推力作動のホールスラスタとイオンスラスタ

    である。

     プロイテレス3では太陽電池パドルによる電力供給が可能であるが、プロイテレス4では太陽から離れすぎるため太陽光発電は無理である。原子力電池を使用しなければならない。
     現在、これら計画の概念設計中であり、平行してホールスラスタとイオンスラスタの性能向上を目指した実験研究とシステム設計を行っている。







    このページの先頭に戻る



    Copyright © 2006 Tahara Advanced Rocket Lab. all right reserved.