知的信号処理研究室(大松 繁 客員教授)

人間は素晴らしい知恵者である
(知識人が増え知恵者が減ると危機の到来:童門 冬二)

人間は視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚という五感情報を旨く処理し統合化して、賢い判断と行動を行い、社会生活を営んでいます。近年の科学技術の進歩により、お金さえ惜しまなければ、現代の科学技術で何でもできると思われています。そこで、人間の機能を有するロボットを作製すれば幾らになるか計算した研究者によると、5千億円で実現できると推計されています。それをレンタル料に換算すれば最低でも月額25億円になります。社員の給料を月額25億円払えない経営者は失格であると公言した大企業の会長さんが関西に居られます。ゴーンさんの給与が年俸9億9千万円だと騒ぐ時代ですから、ロボットの機能をより低減化する科学技術の開発は技術者の努力目標と思っています。本研究室では、膨大な知識を使って知恵者を作ろうという方針の下、五感情報処理を目指した研究を行っています。

画像の力(百聞は一見にしかず:To see is to believe)

人間の大脳における情報処理で視覚情報が占めている割合は約90%と言われています。したがって、画像関連の研究は他の4感の情報処理と比較して、抜きんでています。丁度、街の病院の分布も眼科は独立した病院があるが、それ以外は耳鼻咽喉科のように一括りにされているのとよく似ております。本研究室では画像処理の研究として、見えないものを見るデジタル虫眼鏡を作成し、小さくてボケ画像を大きく拡大して鮮明な画像として提供する手法を開発中です。また、ニューラルネットワークによる人間のように賢いパターン認識手法を開発し、紙幣識別機の高度自動化やリモートセンシングによる高精度の分類を行っています。

とくに、紙幣識別の中で偽造紙幣を高精度で識別するために画像を細かいスペクトル幅に分解し、その画像をDEEP LEARNING 手法で識別することで高精度な真偽識別を行う研究を行っています。この研究に関して、平成28年度に公益財団法人JKAからの研究支援を受けています。

聴覚の力(聖徳太子の伝説:太子は10人の話を聞き分けた)

 人間は様々な騒音環境下で生活しております。聴きたくない声や音が否応なしに耳に入ってくる経験をされた方が多いと思われます。本研究室では、聖徳太子の伝説を工学的に模擬するために、人間の学習機能をニューラルネットワークで実現する研究を行っています。実際には、工場で製品検査をエクスパートの検査員が耳で音を聴いて良否判断をしていますが、工場内ですから様々な音が混じって入ります。このような場合、上記の信号分離を行えば、無音室で検査できる環境を提供できます。また、電車の中でも聴きたい音楽を静かな環境で聴くことができます。原理は学習機能を旨く使って、ノイズ除去(キャンセラ)を行うものです。

嗅覚の力(ノーベル生理学賞2004年:匂いの研究は萌芽期)

2004年にアクセルとバックは1991年に書いた論文で2004年に嗅覚受容器の解明でノーベル生理学・医学賞を受賞しています。この論文は、大変読みやすくwebで簡単に入手できます。このように匂いに関する研究はまさに始まったばかりです。さらに、関西には匂いセンサを開発している優れた企業が沢山ありますので、研究環境が整っております。 本研究室では人間の鼻の構造にヒントを得ることで、匂いセンサを多数配列した匂い計測器を開発し、匂いセンサの作成、匂い計測、匂い識別の研究をナノ材料マイクロデバイス研究センターの研究者および企業と共同で行い、人工の鼻(eノーズ)を作製中です。

とくに、匂いを高精度で識別するためにDEEP LEARNING 手法で特徴量を抽出し、匂識別器の小型化を図り、ロボットの鼻として活用する研究に対して、平29-30年度に公益財団法人JKAからの研究支援を受けています。
研究題目「人工知能による高精度な電子鼻の作製と移動ロボットの鼻への応用」

  • オートレース
  • 研究課題とその計画
ディジタル虫眼鏡
混合音の分離
紙幣識別システム
電子鼻システム

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