大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部

大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部

基調講演

基調講演はどなたでもご参加いただけます(参加費無料、事前申し込み不要)

テーマ:“捨てる” をデザインする
― 循環を前提としたモノのトレーサビリティ ー

私は、"捨てる"ことを、悪だとは思っていません。
もちろん、様々な製品を生み出すことも悪だとは思っていません。
しかし、それらの製品は、残念なことに、いつか役目を終え、不要になります。世の中に存在するほとんどのモノは、最後は粉々にされるか、焼却されて灰になり、埋め立て処分場に運ばれていきます。
私たちの生活をより良くするために生み出したモノの一生は、埋め立てられるまで続いています。製品を生み出す時も、それを捨てる時も、モノの一生の様々なシーンの中のある一瞬でしかありません。なんとなくは理解しているこの事実に対峙した時、私たちのビジネスは、今のままで良いのでしょうか?

生み出す時と捨てるときの二点を軸に、モノの流通を含めたすべての過程をループで結び、循環を前提とした情報を整理、共有し、埋めるまでの時間、距離を延ばしていくビジネスを、私は、リマーケティングビジネスと呼んでいます。
情報化社会と言われる現代で、圧倒的に足りない“捨てる情報”をキーワードにして、循環を前提としたこれからの私たちの暮らしと、それに関わるリマーケティングビジネスの在り方を、60t/日を超える廃棄物が毎日運ばれてくる現場で仕事をする私なりの視点を交え、皆さんと考えたいと思います。

講演者プロフィール

中台 澄之

株式会社モノファクトリー代表取締役
株式会社ナカダイ常務取締役

【略歴】東京理科大学理学部卒業後、証券会社に勤務を経て、1999年に株式会社ナカダイに入社。中古リユース市場の立ち上げと徹底した分別により、総合リサイクル業として業務を拡大し、リサイクル率99%を実現する。2011年、“発想はモノから生まれる”をコンセプトにモノ:ファクトリーを設立し、代表に就任。“使い方”を創造し、“捨て方”をデザインするリマーケティングビジネスを確立する。2013年Good Design Award、未来づくりデザイン特別賞受賞。WIRED Audi INNOVATION AWARD2016。著書に『「想い」と「アイデア」で世界を変える ゴミを宝に変えるすごい仕組み 株式会社ナカダイの挑戦』(SBクリエイティブ)など。

中台 澄之氏 (株)モノファクトリー代表取締役 (株)ナカダイ常務取締役
  • 株式会社ナカダイ
    株式会社ナカダイ
  • モノ:ファクトリー
    モノ:ファクトリー
  • 廃棄物にしないプロジェクト展「産廃サミット」
    廃棄物にしないプロジェクト展”産廃サミット”

特別セミナー

テーマ:デザイン開発とデザイン保護
― これから必要になる知的財産との付き合い方 ー

我が国では、近年、ユーザーエクスペリエンスから創出された優れたデザインが日々創出されています。しかし、創出されたデザインの保護が十分とは言えず、我が国の製品やサービスのデザイン模倣は後を絶ちません。
一方、知的財産権によって、製品のデザインを模倣から守り、オリジナリティーをアピールして企業活動を有利にし、製品ブランドや企業ブランドの構築にも役立てているケースも多くなってきています。

今回は、デザインのグローバル化が進む中、デザイン開発契約でやっておくべきことや知的財産権による保護のあり方を解説します。

講師プロフィール

山田 繁和

大阪工業大学 大学院知的財産研究科 特任教授

【略歴】1990年愛知教育大学教育学部卒業後、特許庁入庁。
意匠制度企画室長、審査第一部民生機器審査長、意匠課長、審判部34部門(意匠)審判長を経て、特許庁を研究休職し、大阪工業大学 大学院知的財産研究科 特任教授に着任。現在に至る。