研究内容
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本研究室では,高電圧やパルスパワーに関連する研究を行っています.発電所で電気を作り出して需要地に送る際,その電気は高電圧化されます.高電圧化すると特定の条件では気体や固体で絶縁破壊と呼ばれる現象が起き,送電がストップしてしまいます.そのため,様々な技術を用いて,安易に絶縁破壊が起きないように対策しています. 絶縁破壊という言葉は難しい印象があるかもしれませんが,電気を流さない状態が壊れるという意味です.気体中では通常電気は流れませんが,絶縁破壊が起こると稲妻,雷が発生して電気が流れます.金属線を被覆している材料でも高い電圧が加わると雷のような現象によって穴が開いていき,絶縁が破壊されます.このような絶縁破壊を「利用する」こと,あるいは「予防する」ことを研究しています. (1)気体の絶縁破壊を利用する ![]() ![]() また,パルスパワーと呼ばれる技術を使って放電プラズマを作る研究も行っています.この技術によって,高気圧気体中や液中でプラズマを発生することが可能となります. 直流コロナ放電に関する研究についてはYouTube動画(5分30秒)をご参照ください. なお,水処理関連のいくつかの研究は科学研究補助金の助成を受けています.詳しくは下記リンクをご覧ください. 2021-23年度:コロナ放電を用いた液中への革新的活性酸素種供給法の開発 2018-20年度:水上直流コロナ放電によって液中に供給された活性酸素種の化学反応解析 2015-17年度:HO2ラジカルの計測と液中化学プロセスへの応用 2008-09年度:薄板電極を用いた水上パルス放電による水中難分解性物質の高効率処理 (2)電気機器の絶縁破壊を予防する ![]() ![]() Keyword:高電圧,パルスパワー,絶縁破壊,環境浄化(水質改善),活性酸素種,部分放電 最新の研究情報はこちら TOPページへ戻る
この研究室では,静電気の力を操る技術,放電プラズマをコントロールする技術を基礎として,主に次のような応用研究を行っています. (1)排気ガスや大気中の有害微粒子を捕集・分解する技術 大気中には微細な微粒子が漂っています.その中でもサイズが小さいPM2.5(直径が2.5μm以下)やultrafine particle(直径0.1μm以下)と呼ばれるものは,肺の奥深くまで届くため,特に人体に有害だとされています.そのような微粒子は人間がものを燃やすことから生じることが多いのですが,世界中には大気中の濃度が環境基準を大幅に上回る地域が多数存在し,解決する必要があります. この研究室では,微細粒子の中でも特に有害なススをエンジンの排気ガスや大気中から取り除くことを考えています.まず,静電気の力でガラス表面にススを集積させ(ということは,空気は逆にきれいになります),次にガラス表面に沿って発生させたプラズマにより分解する技術を研究しています.細長い電極によりススを引き付ける静電気力が生じるように独自の工夫がしてあります.また,ウィルスも微粒子の一種であることから,現在,その除去や無害化の研究も始めています. ![]() (2)微小な物体を自在に操る技術 電気を使って物体を動かしたい場合,まず思い浮かべるのは電気モーターだと思います.普通の電気モーターは電流と磁界の作用により生じる力(=電磁力)を利用していますが,この力は,物体サイズが小さくなると急速に小さくなります.一方,静電気力は物体サイズが小さくなってもそれ程小さくなりません.つまり,微小サイズの世界で物体を操作するときは,静電気力を上手く使うのが良いわけです. この研究室では,電極の形を工夫して,狙った場所にだけに高い電界を作り出すことで,微小な物体を駆動する技術を研究しています.この技術が発展すれば,微細なプラスチック片を色や材質で正確に分別して高品質な再生プラスチックを作るなど,様々な応用を考えることができます.写真は最も基本的な動作として,小さな球を左から右に移動させた例です. ![]() 少し異なる研究テーマでも対応可能ですのでご相談ください.業績等は以下のリンクを参照ください. Researchmap Keyword:静電気力,誘電泳動力,低温プラズマ,コロナ放電,誘電体バリア放電,微粒子,PM2.5,PM0.1,排ガス浄化,大気浄化,ウィルス,マニピュレーション 最新の研究情報はこちら TOPページへ戻る
本研究室では,プラズマの物性調査と調査に基づく技術応用として,次のような実験を行っています. (1) 大気圧誘電体バリア放電プラズマが誘起する流れ場の観測 大気中で1対の金属電極の表面に誘電体を置き,電極間に高周波(約10kHz,振幅数kV)を印加すると誘電体表面に沿って持続可能な放電が起きプラズマが生成されます.この放電形式を誘電体バリア放電といいますが,真空装置を必要とせず,電圧源さえあればどこででも作ることができるプラズマです.このプラズマをアクチュエータとして使用すると,プラズマ近傍に流れが生み出されることが知られており,これを利用した流体制御技術が発展しています. ![]() (2) プラズマを使用した種子の滅菌 ![]() Keyword:プラズマ滅菌,誘電体バリア放電プラズマ,流れ場,微粒子,低圧高周波放電プラズマ 最新の研究情報はこちら | |||
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