知的財産とは何か知っていますか?
知的財産とは簡単に説明すると、人が考え出したアイデアを法律面から保護する制度です。
皆さんの身の回りにある物品(スマートフォン等)や財産(お金)であれば、物理的に「盗まれた」と証明できます。しかし、情報(アイデア等)は見たり聞いたりすることで他人にすぐに盗まれてしまいます。そして、その情報が他人に盗まれてもその証明が困難になります。そこで、現代社会では知的財産制度というものが利用されています。
では、知的財産とは具体的にはどのようなものか、そしてどのように使われているのかを説明します。
たとえば、画期的なアイデアで、これまでに存在しなかった製品を作り出したとします。仮に、自転車の空気入れが存在しない世界があったとしましょう。
そこで、自転車の空気入れを、試行錯誤(たとえば20回ぐらい失敗を繰り返して作り直したとしましょう)の末に完成させたとします。 それを売れば、大きく儲けることができるのですが、いったん完成した製品を世の中に出すと、他人はその製品を見て、分解して、同じものを苦労なく、作られてしまいます。
そこで、知的財産という制度があればどのように変わるか考えてみましょう。

知的創造サイクル

画像:知的創造サイクル

知的創造サイクルにおける創造とは、企業でいう開発にあたります。開発をすることにより新しいアイデアが生まれます。
保護では、知的財産制度によって新しく生み出されたアイデアの利用を最初に生み出した者に独占させます。
活用は保護したアイデアを利用した製品より収益を得るために、販売や契約をすることなどを言います。
そして、その収益で得た資金によってまた創造を行うことによって、新たなサイクルを生み出すことができます。

生み出されるまでは大変な苦労が伴うのに、簡単に盗まれてしまうのが知的財産の特徴です。発明と同じように、製品のデザインやブランドイメージも知的財産といえます。 このような、さまざまなアイデアの形に合わせて法律で保護する仕組みが、知的財産制度なのです。

最初に製品を生み出した人は、多大な労力と時間、コストをかけて物を生み出します。この価値は、実際の物品ではなく、その物品を構成するための情報です。 これは、音楽や小説のアイデアなどにも同じことが言えます。

そこで、知的財産制度では「発明」を「特許権」、「工業デザイン」を「意匠権」、「ブランド」を「商標権」、「小説、音楽などの表現」を「著作権」で保護できるように設定しています。権利毎の詳細は下記リンク先を参照ください。