消費者の観点からみた知的財産と標準化の新規範への研究
〜新たなガイドラインの必要性〜

山田 江利子

技術開発の進歩において、特にハイテク分野といわれる分野で、消費者が軽視される問題が起きている。企業の競争と利益のバランスを考慮しつつ、消費者の具体的な意見を取り入れる方法が必要であり、これには企業の競争に深く関係する知的財産と標準化・独占禁止法の関係が重要となる。そこで、「消費者の生活を考慮した意見の反映、それによる消費者の利益の確保」を目的とした新たなガイドラインを提案する。 これにより、消費者の意見を踏まえた標準化、標準化における公正取引委員会の関与による不当なケースの排除、消費者(特に高齢者・障害者)が広く使う標準規格の必須特許の無償提供などが実現し現状が改善されることが期待できる。