技術標準に含まれる特許問題に関する考察
−RANDとEx-anteを中心として−

黄 穎暉

技術標準の普及と知的財産の保護については、この両者のバランスを維持するため、IPRポリシーの役割が不可欠である。その役割として、特許のホールドアップを起こす企業に対する抑止力の点から最も重要な効果をもたらすことを認識し、本論文では標準化機関のIPRポリシーにおいてRAND条件の明確化やライセンス条件の事前的な開示(Ex-ante宣言)などを今後進めるべきことを提言する。標準機関のIPRポリシーにおいてEx-ante宣言を導入すれば、競争原理を阻害することなく、RAND制度に起因する特許紛争(例えば:累積の高額な特許ライセンス料が原因の紛争)を減らせることが期待できる。