不正競争防止法2条1項12号(ドメイン名)の課題
−裁判例と各国比較法を中心として−

藤田 優奈

インターネットの普及によって発生したドメイン名の不正取得・使用を規制するため、わが国では2001年に不正競争防止法にドメイン名の規定(12号)が設けられた。本論文では、急速に進歩するインターネットに対応する観点から、現状の12号に関連した法的な課題を明確化し、その改正の必要性と方向性を研究する。その結果、@諸外国は移転措置を認める傾向にあるため、日本でも不競法におけるドメイン名の規定に移転措置を追加する必要がある、A12号と商標法との関連および地名のドメイン名の対処の観点から、12号に地理的表示を追加する必要がある、B国際調和の観点から、条約制定の可能性を検討する必要があることを提言する。