卒業作品―レリーフの制作

知的財産判例研究修了者

私たちは、大学・専門学校や学習教室で、学習の成果として習道・絵画・写真・料理作品・華道・茶道・版画・機械設計図・建築設計図・卒業論文・卒業制作等の作品を出品する。学習上の作品は、多くが先駆者―先生と言われる人の「まね」から始まり、学習によって、少しずつ自分の表現になっていく。今までは、授業の過程の創作物であり、営利性がなく、著作権者の利益を不当に害するのでなければ引用の範囲を超えても使用が許された。しかし、最近の社会においては、人間の権利意識が厳しく捉えられ、原作品の著作権者から権利侵害だと訴えられることも、懸念しなければならなくなった。著作権者の権利を正当に評価するため、卒業作品が、翻案権及び著作者人格権の侵害として訴えられた事件を検討し、どこまで社会的に許容されるか考察していく。