知的財産をめぐる会計上の諸問題

武田 晴彦

近年、企業における知的財産の占める割合が増大している。しかし、現状の会計基準では、限定された場面でしか資産計上が認められておらず、自社開発の知的財産については、財務諸表上に全く表示されないといった問題がある。価値評価されないものは、十分な管理、活用が困難であるし、投資家にとっても適切な評価が困難になる。このため、知的財産を財務諸表上にいかに記載していくかが課題となっている。会計基準は、経済社会の表現ルールであり、より合理的で表現力のあるルールが求められている。本研究では、現状の知的財産の会計上の問題点と場面毎の評価手法を整理することで、今後の知的財産を活用した経営戦略や知的財産の評価手法の発展につながればと思料するものである。