著作権と並行輸入―判例に基づいて―

金子 亜矢

並行輸入とは、外国で製造された商品を輸入する際に、総代理店等によって国内に輸入するといった正規のルートではなく、外国で販売された商品を現地で購入し、総代理店以外の別ルートで輸入することである。並行輸入に関する考え方についてはいくつか学説が存在するものの、通説では並行輸入は肯定されている。しかし、現在においても並行輸入に関してはたびたび議論がなされている。
本稿では、第1章では、並行輸入に関連する日本と米国の基本的な用語の説明及び重要判例を紹介する。第2章では、他の知的財産権の並行輸入について検討するとともに判例比較を行なう。そして最後に、並行輸入に関する私の考えを述べる。