著作権における並行輸入について

馬田 正浩

本研究では、著作権における並行輸入を中心として、他の知的財産権における並行輸入との違いについて述べる。我が国の並行輸入と知的財産権における考え方は、特許権、商標権、著作権のそれぞれの権利において、理論的構成は著しく異なっているのである。そこで、これらについて比較をしながら、我が国では今後著作権、その中でも特に映画の著作物と並行輸入の関係がどのような影響を与えるかを検討課題とする。 著作権、特許権、商標権に関して、それぞれの権利における並行輸入の判断について判例を通じて比較し、知的財産権における並行輸入の商品の規制に対する考え方から、著作権における並行輸入の判断の妥当性について検討を行う。