不正競争防止法2条1項10号・11号の規制強化の問題点について

大田 直輝

技術的制限手段の保護範囲について拡張すべきであるか否かについてたびたび論じられている。我が国の不競法は23年に技術的制限の回避規制強化がされた。主な改正点として、刑事罰の導入及び規制対象の拡大が挙げられる。これらは妥当であるか否かについて論じる。もう一方の論点として、請求権の主体について論じる。以上の論点を検討するために、不競法及び著作権法の制定の背景及び保護範囲について明らかにした上でマジコン事件、チューナー事件に触れ、今回の不正競争防止法改正に及んだ経緯について検討する。また、米国法やACTA条約に触れ、日本の技術的制限手段の回避規制の今後を検討する。