著作権法30条1項の「私的使用のための複製」の限界領域
―特に「樹林事件」を中心として―

知的財産研究科修了生

 大学や専門学校等で、我々の作品を発表したり、文化祭、作品展に発表したりすることがある。これら学習のための複製は、新しい創作活動をもたらす複製であるため、これを制限することはできないと解されるであろう。しかし、作品で「模倣」と「自分の創作的表現」の限界は困難であって、私的使用の複製の範囲内となるのであろうか問題となる。我々の経験で、就職活動中の学生が、ある会社の課題として提出するために作成した提出物の中に、最近の本の表紙内容を取り込んだ場合がある、これらの場合には、著作権法30条1項の範囲における私的使用の範囲における使用の複製とされるか否かが、本研究の目的となった。