著作権行使を巡る独占禁止法事例の検証と独占禁止法違反の判断の枠組みについ ての考察

竹内 直久

独占禁止法21条の適用除外に関する通説的見解及び公正取引委員会の見解についての問題点を指摘し、知的財産権法の観点から独占禁止法21条による適用除外の是非の判断の枠組みを提案した。その過程で、多様化する著作物に対応できるよう、著作権の行使が独占禁止法上問題となる場面を著作権法の観点から分類・類型化した。また、著作権法と独占禁止法との対立が顕在化しうるプログラム著作物、デジタルコンテンツについては、従来の著作物との相違点を指摘した。さらに、過去の審決例及び「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針(H19.9.28)」、を検証し、そのうえで、各行為類型の特徴を踏まえた判断の枠組み、特徴的な判断要素・視点を提案した。