知的財産権のライセンスと独占禁止法

内藤 美紀

本論文では、知的財産権法と独占禁止法の両者の関係性を確認し、双方の境界線について示している独占禁止法21条の文言解釈についての学説等を取り上げ検討する。また、第3章では、ライセンス契約の意義を述べたあと、知的財産権による権利行使がどのような制限条項となるのか、またその制限条項がどのような独占禁止法違反と関係するのかについて検討する。第4章では、競争促進・制限機能の両性質をもつパテント・プールに着目し、その違法性や効力について検討した後、第5章で、「パチンコ機特許プール事件」をとりあげ、事件の概要や法律の論点について検討する。第6章では、これらを踏まえて、ガイドラインを取り上げながらまとめ、考察する。