日本におけるトレードドレスの保護についての研究 ―不正競争防止法による保護の検討について―

知的財産研究科修了生

 日本ではトレードドレスに関する裁判例は少なく、海外と比べて法整備が遅れていると言える。この論文では今後の日本におけるトレードドレスの保護について、外国との比較、事例紹介などを通して考察する。将来的には意匠法による店舗の内外観の保護が可能になり、その場合には周知性の要件がなくなり権利行使が容易になると考えられる。しかし、意匠による登録には新規性や創作非容易性の要件を具備しなければならないため、登録は難しく、保護期間を過ぎれば、第三者の使用も可能になる。そのときに不正競争防止法による保護を検討するとよいのではないかと考える。特別顕著性の要件を満たす前提であるが、意匠の保護期間内での周知性は確保できるのではないかという結論に至った。