特許権と商標権の国際的消尽における日中比較研究

張 若暁

経済のグローバル化が一層進むなか、並行輸入問題は拡大している。自動車や家電製品のように、一つの商品に複数の知的財産権が存在し、権利が複合している商品については、権利関係が非常に錯綜することになる。本稿では、特許権の国際消尽について、BBS事件を振り返り、最高裁判決の射程と残された問題を示した。また、中国専利法69条1項を素材として、中国における法改正へ向けた議論を分析し、日本と異なる立場をとった理由を明らかにした。さらに、日中における商標権の国際消尽に関する判例の検討を踏まえ、特許権と商標権が複合する商品の国際消尽を考察し、産業政策などの観点も考慮し、国際消尽の適切な法的枠組みを提示した。