特許法101条2号、5号による間接侵害の要件についての考察〜一太郎事件知財高裁 判決を題材として〜

若本 修一

平成14年の特許法改正において新設された101条2号、4号(現行5号)に関し、その適用について判示した一太郎事件控訴審判決を中心に、その原審およびプリント基板メッキ用治具事件の東京地裁判決をあげ、間接侵害規定の要件に関する論点を紹介し、検討を加えたものである。一太郎事件の控訴審判決は、平成17年4月1日に発足した知的財産高等裁判所の大合議部による初めての判断が示されたという点において、実務的にも反響を呼び、評釈も多数なされているところであるが、特に、方法クレームに関する4号の解釈については、原審と控訴審で見解が異なっていることから、控訴審の認定についてその根拠を探りつつ、自説を展開する。