コンテンツビジネスにおける海賊版対策の研究

知的財産研究科修了生

 インターネットでのコンテンツの流通が容易になった一方で著作権侵害コンテンツの流通は爆発的に増大している。本稿では、コンテンツビジネスの現状、過去の海賊版の事件、2018年に内閣府で行われたタスクフォースによる総合対策などについて研究を行った。タスクフォースで提案された著作権の保護の強化やブロッキング、啓発活動と行った対策では海賊版がなくなることはない。そこで本稿では、収益モデルの刷新を提案した。作者・権利者が自らコンテンツを「フリー」として配信し、マネタイズを図ることで、海賊版サイトを利用する必要がなくなる。「フリー」を軸として、出版やイベントなどからも収益を得るようにし、今までの販売形態に固執するのではなく、収益モデルの変化が一番の海賊版対策であると提言する。