知的財産としてのデータ保護の現状と課題 ~データ利活用促進に向けたデータの法的保護の考察~

知的財産研究科修了生

Current Status and Issues of Data Protection as Intellectual Property - Considerations for the Legal Protection of Data to Promote Data Utilization -

世界的なデータの重要性の高まりに伴い、平成30年不正競争防止法改正によってデータの法的保護が強化されたが、依然としてデータの法的保護について議論がなされている。本研究において、データの法的保護の必要性と許容性の検討から、データの法的保護は必要であり、「データ利活用を阻害しない範囲での柔軟な保護規定の整備」が課題であることがわかった。保護法益は、創作的価値・機密的価値・労力的価値に分類することができた。特に現行知的財産法では保護されない労力的価値を有するデータについて柔軟な法的保護規定を設けることで、データの創出、流通、利活用の保護を図り、ひいては飛躍的な産業の発達が期待できる。