ビッグデータに適用される限定提供データと営業秘密の関係

知的財産研究科修了生

IT分野やIoT、AIなどで生まれるビッグデータや多種多様なデータ類は、近年ますます利用価値が向上している。しかし、従来これらのデータは営業秘密として管理するしか方法がなく、また共有などにより営業秘密に該当しない有用なデータは保護が難しく、保護の方法として十分と言えなかった。そこで新たに不正競争防止法の新たな枠組みでデータの保護を強化することが決まった。新たに保護されるのは、一定の価値のあるデータの不正取得行為や不正使用行為、悪質性の高い行為に対する民事措置(差止請求権、損害賠償額の推定など)である。これらを踏まえた上で改善点を比較し、さらなる問題点や今後の改善点などを見つけ論じる。