色彩のみからなる商標の登録を受けるための事例の検討及び登録可能性を有する色彩使用例の探索

知的財産研究科修了生

Review of Cases for Registration of Trademarks Consisting Only of Colors and Search for Examples of Color Use That Are Registrable

色彩のみからなる商標は、新しいタイプの商標の1つである。現時点における出願数は500件を超えるが、その登録例はわずか8件に留まっている。その主な要因となっているのが、色彩のみからなる商標は原則として商標法3条1項2号、3号又は6号に該当するとする判断である。これに当てはまらず登録を受けるためには、色彩がその使用によって識別力を有するに至ったことを証明するほかない。そこで、色彩のみからなる商標の識別力の証明に必要な事項を登録例や判例、拒絶査定不服審判例から検討した。また、その検討から得た知見を基に複数の既存のブランドカラーについて、色彩のみからなる商標として登録を受けることができるかを考察した。