著作物の並行輸入について
―音楽レコード還流防止措置―

知的財産研究科修了生

特許・商標に関する判例、中古ゲームソフト事件最高裁判決等を踏まえるなら、著作物に係る並行輸入は、原則として許容されるものと考えられるところ、平成16年に音楽レコードに係る還流防止措置が導入され、一部のレコードにつき並行輸入を阻止できることとなり、実際に水際措置が適用されている。我が国には再販売価格維持制度もあり、レコードに対する保護は「過保護」の域に達しているとも思える。
本論文では、この措置の問題点を分析するとともに、映画の著作物に係る状況との比較も行いつつ、その存在意義を問う。